【時空省 時をかける者たち】三章

第三章 BERSERK 2

マダラ「だが、聞くところによると、お前自身は人間に対する復讐をやめたのではなかったのか?それなのに何故あの男にくみする?」 疑問に思うのは最もだ。復讐をやめた男が、何故復讐を遂げようとする者の下にいるのか?彼の答えは先ほどと同じものであった…

第三章 BERSERK 1

昔々あるところに、とある騎士がいました。その騎士は非常に武勇がたち、誰も太刀打ちできない程の強さを誇っていました。ですが、騎士らしからぬ非常に横柄な性格で、彼のいた国内ではとても評判が悪い人物でした。勿論、同じ騎士仲間からも評判が悪く、い…

第三章 黒い剣士12

そうは言われたものの、ヴァレンタインは何をどうすればいいのか全く分かっていない状況にある。先ほどの戦いで、人外の敵と戦った後、平行世界の自分を元の世界に戻してしまった。そのため、一人一人話を聞くためにこちらの世界に連れてこなくてはならない…

第三章 黒い剣士12

そうして、物語は再び1890年のアメリカに話は戻ることとなる。一人の男前に現れた黒い穴の向こうからやってくる、同じように全身黒の甲冑で覆われたその男。ファニー・ヴァレンタインの目の前に彼が現れたことで、まず一つ目の物語が動き出すこととなる…

第三章 黒い剣士11

あれからかれこれ1時間は過ぎただろうか。アタランテと別れたガッツは、目の前にいる怪物たちを相手にしながら、術者を捜索していた。だが、出てくるのは無数の怪物のみだ。 ガッツ「へっ、いくら雑魚をぶった斬ってもなんにもねぇ!今日こそは安らぎの日々…

第三章 黒い剣士10

アタランテ「しかし、これだけ多くの敵がおると厄介だ。ただ弓を放つだけではこの状況打開できそうにない。ならば、」 アタランテは天に向けて弓を構え、そのまま二本の矢を打ち放つ。すると、すぐさま天から無数の矢が怪物たちめがけ、雨のように降り注いだ…

第三章 黒い剣士9

ガッツ「あん?あいつはあんなところから全く動いちゃいねぇが、あれで大丈夫なのか?」 だが次の瞬間、彼の心配は吹き飛ぶこととなる。何が起こったのかは分からないが、助手席に入ろうとした骸骨たちが宙を舞い、バラバラになりながら赤い大地に砂塵をまき…

第三章 黒い剣士8

彼以外の皆もかなりの手練れだ。もともと、有象無象の怪物たちを相手にしてきたリヒター・ベルモンドやアンデルセン神父らだけでなく、千年不敗といわれる伝説の流儀【陸奥圓明流】という武術を使う陸奥九十九もまったく問題なしと言わんばかりの技を見せる…

第三章 黒い剣士7

アンデルセン「さて、皆さん乗りましたかな?準備ができ次第、車を走らせたいのですが?」 こうして、一人客人を増やしたこの車は、残り10キロとなった車道を立派な車が走り出す。 さて、移動が楽になるということで乗せてもらったのはいいものの、先ほど…

第三章 黒い剣士6

そんなことを呟く黒い剣士こと【ガッツ】。その風体のせいで、寧ろこちらが吹き飛ばされそうになりそうだ。引き続き、彼は金属の乗り物をじっと良く観察する。 ガッツ「それにしてもこんな金属の塊がよく動くもんだな?…まぁ人を乗せるんなら、確かにこれぐ…

第三章 黒い剣士5

辻谷たちも、神父たちに自己紹介をしたのち、アンデルセンから「このまま外にいるわけには良くないでしょう。どうぞ、こちらへ。」と車の中へ入るよう促されるような形となったので、国籍のまったく違う4人組はそのまま立派な車に乗って移動を始めた。 さて…

第三章 黒い剣士4

辻谷「あっ…」 気づいたときには、その怪物はもう天高く舞っていた。我々の中でファンタジー世界のように空を飛べる人は…いないということは間違い無い。 陸奥「俺たちじゃあいつには届かないか…」 陸奥は、自分の頬を人差し指で掻き、冷静に状況判断をする…

第三章 黒い剣士3

辻谷「いや、それは中国のことわざで、日本にはそんな虎いないし。」 リヒター「そうなのか…」 陸奥「そうです。」 …何なんだ今日は。そう思う怪物は、体が元に戻ったことなどすっかり忘れ、目の前の人間三人に気を取られていた。 蝙蝠猫「何なんだ、お前た…

第三章 黒い剣士2

夏の白い太陽のもとでいっそう黒く光るその巨大な剣は、その男にふさわしい武器だ。二つに斬り裂かれた二体の怪物を背にして、黒い剣士はその場を去ろうとする。 蝙蝠猫「おい、まてよそこの人間!」 先ほど斬り裂かれたはずの蝙蝠猫が呼び止める。さすがは…

第三章 黒い剣士 1

あたりに広がるのは只々荒野ばかりである。その真ん中に、一本の固く、黒い道が伸びている。そのような酷暑の中、黒い甲冑を着た男がただ一人で歩いていた。 黒い剣士「しかし、何もありゃしねぇな。一体この道はどこまで続いてんだか。」 前を向いても、後…

第三章 プロローグ

いったいどれほどの時がたったであろうか。もうじき夜になろうというのに、皆どこへ消えたのか。自分でも何が起こったのか分からない一人の青年は、空を見上げると、雲は波を立てている。しかし、それももう少し時が経つと見えなくなるだろう。この奥深い森…