時空省【時を超える者たち】第4章

異世界侵攻録 逃亡と進行 11

元就は、彼らならきっとこれから起ころうとする困難な事象を解決できるのではないかと心の中から確信した。そんな彼らの話を横から聞いていたエルリック兄弟と、皆の様子を見に来た銀時は、しみじみした気持ちとなっていた。三人は、自販機で購入した、ジュ…

異世界侵攻録 逃亡と進行 10

リナリー「お気遣い、ありがとうございます。あなたのことは聞いているわ。寧ろ、あなたのほうが辛い目に多くあっているはずなのに。」 予想外の言葉に、元就は驚いた。あんな目に合ったというのに、この娘はまっすぐやさしげな眼で自分を見つめてくる。強く…

異世界侵攻録 逃亡と進行 9

元就「ああ、驚くのも無理はないさ。私もさっき聞いたときは驚いたよ。どうやら【彼女】たちは、昨日こちらの世界に迷い込んだ【エルザ・スカーレット】君が付き添いであたっているようだけど。」 司馬懿「ほう、そうか。今度も女性か。一体全体どうなってい…

異世界侵攻録 逃亡と進行 8

一方で、無事に逃亡に成功した元就たちは、日本時空省【時空転移室】のすぐ横にある休憩室で一息ついていた。名前は休憩室とついているものの、その中はなかなか立派なもので、様々な設備がついている。自販機は、飲み物類から食べ物類まで数種類は存在し、…

異世界侵攻録 逃亡と進行 7

一体いつの間にこのような状況になっていたのだろうか?宙には、先ほどの水計の余波で辺りに散らばっていた大量の水滴や、瓦礫や小石が浮かんでいるではないか! ルキア「なん…だと…」 あまりの光景に言葉を詰まらせた彼女のことなど尻目に、容赦ない攻撃が…

異世界侵攻録 逃亡と進行 5

まずは、戦闘開始前まで時間をさかのぼらせる。朽木兄弟の目の前に現れた男は、武器らしい武器を持ち合わせていないようだった。というより、明らかにおかしなところは無い【強いて言うなら、髪型が蟹みたいなところを除いて】ようだ。だが、その男【サーレ…

異世界侵攻録 逃亡と進行 4

というのもこれはルガールの策である。実をいうと、ルガールは事前の情報により、エルリック兄弟たちがこちらの世界に来ることは、事前にうちはマダラから聞いていた話だった。そのため、ライフストリームがこの場所にはなかったというくだりはすべて嘘であ…

異世界侵攻録 逃亡と進行 3

だが、その心配は結局のところ杞憂という形で終わることとなる。どうやら、敵はこちらに完全に興味を無くしたようだからだ。そうこうしているうちに、時空移動機の準備が終了し、一旦25世紀へ退避することになった一行は、そのまますぐに移動を開始するこ…

異世界侵攻録 逃亡と進行 2

元就「いやあ、何とか逃げ切れたね。しかし、君たちも突然のことで、まだ混乱しているような感じだね。」 神田「当たり前だ。それでも、ある程度は少しばかり冷静になって考えていた。なんだあの男は!すべてあいつが仕組んだという分けか?」 リナリー「そ…

異世界侵攻録 逃亡と進行 1

陳宮は、嬉々とした表情で勝利報告を行うために、自らの主君のもとへかけ足となる。そんな彼だが、陰から自分を狙おうとする者たちがいることに気づいてはいなかったようである。 ?「話を聞きつけて駆けつけてみれば、何ということだ。」 ??「ええ、これ…

異世界侵攻録 幕間 2-7

山本「何とか我々の思った通りに事が進んでいるようだ。後は、元就公から詳しくお話を聞いてくださいってことでいいですよね?」 山本は、モニターに映っている元就のほうを一瞥する。その目線が合図だったのだろうか、元就は首を縦に振ると同時に口を開きは…

異世界侵攻録 幕間 2-6

式「半分?どういう意味だ?」 山本「文字通りだ。半分は、自分が時空省からもらったデータから。もう半分は、宇和島という僕の部下から聞いた話さ。前者が呂布軍の、後者が黒の教団だ。どうやら、元就公はあのまま無事に時空省に帰還したらしくて、その時に…

異世界侵攻録 幕間 2-5

ランサー「まっ、俺は別にいいけどな。この【ゲイボルグ】さえあれば、別に問題はねぇよ。それよりも、話がずれにずれまくってどんな話をしていたか段々分からなくなっちまってるぞ?そろそろ話を戻さねぇか?」 山本「それなんだが、私が調べることが出来た…

異世界侵攻録 幕間 2-4

とら「ほおー。わしが封印されとった間に色々あったんだな。しかし、世界中の英雄を復活させることが出来る時代になったとは、なんだか奇妙な話だ。」 とらはそんなことをつぶやきながら、興味深げにうなずく。だが、何故だろうか。何やら自分に向かって視線…

異世界侵攻録 幕間 2-2

アタランテ「ああ、懐かしいな…というのは少し言い方がおかしいような気がしなくともないが、間違い無く聞き覚えのある言葉だ。」 書文「同じく、おれもだ。俺も、時空石とやらの力で25世紀に蘇ってからも何故か覚えていた。本来、覚えていないはずなのだ…

異世界侵攻録 幕間 2-2

ランサー「それよりも、敵さんなんだかサーバントクラス並のやつがゴロゴロいねぇか?」 サーバントという言葉が彼の口からさり気なく出てくる。この中で、この単語を知っているのはごくわずかしかいない。 ヴァレンタイン「サーヴァント?なんだそれは。そ…

異世界侵攻録 幕間 2-1

しかし、聞いた話を語るにしては、かなり長話となってしまった。一応、ことの真相は元就公ともう一人、この場にいない【とある】人物に聞いたのが大体である。そのため、部分的にしか分からないところが多いが、この話ももうすぐ終わる。 ヴァレンタイン「ほ…

異世界侵攻録 R&D 8

ともかく、ここから逃げおおせることが出来ただけでも出来た彼らは、時空移動機と呼ばれる一種のタイムマシンがあるところまで急ぐ。幸いにも、ルガールからは逃れられたようだ。 この光景を一部始終見ていた、別方面作戦に参加していた陳宮は、この結果にひ…

異世界侵攻録 R&D 7

アレン【言いきっちゃったよ、この人。…でも、このまま意識をそらす事さえできれば。】 アレンは、そのままルガールに対して対話を続けるよう努力する。そうすることで、アルフォンスが秘密裏にアレンに対して出した作戦が成功するか、掛かっているからだ。 …

異世界侵攻録 R&D 6

アレン「そう。あなたは今、【女科学者】がどうのこうのっておっしゃいましたね?その女性と、一体あなたとで何のかかわりがあるのですか?」 アレンも、ルガールに負けないくらいの強いまなざしで見つめ返す。そのおかげか、ルガールは両手を下ろし、今まで…

異世界侵攻録 R&D 5

ルガール「さて、話を戻そう。そもそも、奇妙なこととは何か?それは、このライフストリームが時間や空間を超えて至るところに散らばって発見されているのだ!そこでだ。我々は各世界に散らばっているこの強大なエネルギーの固まりを集めるために侵攻を開始…

異世界侵攻録 R&D 4

ルガール「どこからどう見ても君たちの状況は著しく悪いとしか言えなさそうだが…が、よかろう。君たちに我々の計画を少しだけ話してやろう。そして、君たちがこの場所へ呼ばれた理由も同時にだ。そうだな、まず、我々の目的から話してやろう。少し話が長くな…

異世界侵攻録 R&D 3

エドワード「くそっ、出られなくなっちまった。このままじゃやべぇ。」 追い込まれる一行を尻目に、余裕の笑みを浮かべる隻眼の男。この瞬間、ルガールはこの時点で勝ちを確信する。 ルガール「さて、追いかけっこもこの辺で終わらせようではないか。私は用…

異世界侵攻録 R&D 2

葉「ん~問題はこれだけ急いでも間に合うかどうかどうかだよね~。」 阿弥陀丸「そうでござるな。これだけ急いでもぎりぎりの可能性があるゆえ、到着する前にことが終わっている可能性がありますな。後一時程【いっときほど】だと思うのですが。」 葉「そう…

異世界侵攻録 R&D 1

その陳宮が注視しているルガールだが、彼の考えている以上にあらゆる物を破壊、破壊、そして破壊の限りを尽くしていた。逃亡する元就・エクソシスト・そしてエルリック兄弟一行を執拗に追い回していた。 元就「参ったな。もうそろそろこの協会の出口だという…

異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 9

サーレーについては、陳宮も期待していた。彼の能力【クラフトワーク】は、応用力の高いものであるからだ。それに、ジョゼが使役する幽霊の兵士をうまく利用すれば、この戦の勝ちはもらったようなもの。後は、自らの主君がしっかり足止めをしてくれれば、目…

異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 8

鬼鮫「いやいや、工作兵の皆さん。お疲れ様でしたねぇ。さて、あとは自由にやらせてもらいましょうか。皆さん、このまま私について来るもよし、救援に向かうもよしですよ。それでは、散!」 こうして、敵に甚大な被害を与えることが出来た呂布軍は、一気に勢…

異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 7

そんなことを露知らずの修兵達を、暗闇に紛れて観察する鬼鮫たち。どうやら、こちらの作戦に気づいていないようだ。 鬼鮫「やれやれ、相手の強者たちがほとんど留守で助かりましたねぇ。まぁ、軍師殿ははじめからこの時を狙っていたようですが。さて、どうや…

異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 6

それから数分後、場所は9番隊の屋敷に舞台を移す「。副隊長の【檜佐木修兵】は、隊の仕事である瀞霊廷通信の編集の仕事で手を焼いていた。 修兵「お~い、まだ終わんねぇか?」 隊員A「いえいえ、まだ全然終わってないんですよ。他の隊の方々にも手伝っても…

異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 5

鬼鮫「なるほど、言いたいことはなんとなく分かりますよ。その兵力を補うために我々が呼ばれたというわけですね。」 陳宮「そう!その通り。あなた方はかなりの武勇をお持ちであると聞き及んでおります。そこを、そこを見込んでお頼み申し上げます。どうか、…