序章-エピローグ

 我々が大総統室から去ったあとのすぐあと、大総統室にはただ一人、この国の独裁者が残るだけとなった。━いや、それは間違いだ。この部屋には、もう一人存在する。

 ?「さて、これからどうするよ『ラース』?面倒事はお父様の言うとおりあいつらに任せるとして、俺たちも動かないとまずくない?」

 大総統「今のところは良かろう。謎の技が使えるあの若者と仮面の男、両者とも邪魔なだけだ。鋼の兄弟も、人柱としてより良いものになってもらえばなおさらよい。」

大総統室に飾ってあった鎧から再び声がする。それは、鎧に化けた、人ならざる人造人間『ホムンクルス』の『エンヴィ』が正体である。

 エンヴィ「そうだねぇ。お父様もそういってたし、『ラース』もそういうんなら問題ないか。俺も、そのライフなんちゃらに興味あるし。」

 大総統、いや、ホムンクルスの『ラース』は窓の外から星を見上げる。これから自分たちに起こることを想像しながら。

 そして、彼と同じように星を見上げる一人の『聖職者』が未来に存在することは当然の事だが知るはずもない。