第一章-2 さまよえる者たち5

そうして時間は朝9時半になる。自分のデスクに着くと早速今日のスケジュールを確認し、コーヒーを飲みながら気持ちを落ち着かせる。朝確認したメールをもう一度見直すと、例の時空乱流によってこの世界に流れ着いた三人について具体的に書かれたメールが新しく送られてきたようだ。

山本「しかし、これまた繋がりの無い世界から来たもんだ。最近は一体どうしてこんな事が多くなったのか。時空石にも異常は見られないし、どうしたのか?」

私がそう悩んでいる時、

時空省の二階にある【時空乱流観測室】には、その迷いし三人がいた。私の部下【宇和島 光】という女【ひと】が三人から事情を聞いている。くせっ毛で童顔、そして眼鏡というのが彼女の特徴だ。因みに私より年は【いっこ下だ】

宇和島「はい!それでは、皆さんどうしてこんな事に為ったのか説明して貰えないでしょうか?まず、【エルザ】さんからどうぞ!」

明るく元気に!という言葉かよく似合う彼女の声が響きわたる。しかし、それとは裏腹に三人は顔をしかめたり、絶望の表情を浮かべている。その内の一人【エルザ・スカーレット】はこうなった経緯を話しはじめる。

エルザ「あぁ、なぜこうなったか話さなくてはならないな…。しかし何故私がこのような事に巻き込まれるのか、皆目見当も着かない。」

緋色【スカーレット】の名に恥じぬ赤い髪。そして、落ち込んでいる中でも凜とし話し方をしたを忘れない【女性魔導師】は事の次第を話し始める。

エルザ「そもそも私がこの世界に来たのはつい先日だ。そう、君たち二人と同じだな。私はもともとの世界で『魔導師ギルド』というものに所属していたというのはおそらく話したはずだ。」

その言葉に両脇に座っている二人の若者は首を縦に振る。そのうちのひとり、薄緑色の髪をしているその青年の腰には刀が三本帯刀されている。男の名を、『ロロノア・ゾロ』という。