第一章 さまよえる者たち9

ここまでの話を聞いてた宇和島はその話を聞いて驚きの顔を隠せずにいた。

 宇和島「ちょっと待ってください!仮面の男ってこんな恰好をしていませんでしたか!」

驚く彼女に三人は驚きの顔を隠せずにいた。先ほどまでのホンワカしていた雰囲気から一気に変われば当然そうはなる。

 ゾロ「おい、いったいどうかしたのか?そんな顔をしてよ。」

ゾロの言葉を聞いても彼女は気にせずに自分のマーブル模様をした仕事机に探し物をする。

 良牙「だめだ、あのねぇちゃん話聞いちゃいない。」

 エルザ「どうやらそのようだ、気が動転しているのか?一体仮面の男に何があるというのだ?」

そんな四人のことなどつゆ知らず。とある男がこの強烈な部屋に入ってきた。わが友である。彼は、今までの雰囲気をぶち壊すほどのにこやかな笑顔で、

 辻谷「あらいよぉー、一体おまはんらどげんしたとね?」

と、彼の出身地、鹿児島の方言で入ってきた。ちなみに、この鹿児島弁を共通語にすると【あらぁ、みんないったいどうしたの】となる。東京出身の私はさっぱり分かりません!当然、この場にいた三人もサッパリ意味が分からないという表情をうかべ、きょとんとしている。

 エルザ「ゾロ、今のはこの国の言葉なのか?それとも、外国人なのか、彼は。」

とエルザからささやかれたゾロは

 ゾロ「いや、俺この国の出身じゃねぇからわかんねぇよ!」

と激しく突っ込みを入れた。

 宇和島「あら、辻谷さん、お疲れ様です。どうかしましたか?」

 辻谷「いやぁ、それがね、ここのもっさん次官に頼まれて、こちらに迷い込んできた三人組を見に来たとよ。」

ちなみにもっさん次官とは主人公の【私】である。一応君の上司だぞ!私は!!!

…失礼した。話を戻そう。辻谷クンは私の使いで三人の様子を見に来たのだ。

 辻谷「話に聞くところによると、三人とも腕が立つようやね。確かに、強そうだ。それに、元気そうでなによりだ。」

彼はそう告げると、私に連絡を取るため、右手を軽く上げる。すると、どこからともなく、宙にビジョンが現れ、かれはそれを指に触れるような方法で操作する。その光景を見た三人は、その光景に驚きを隠せず、興味津々で彼のほうを見つめる。 エルザ「ほう!この世界にはこのような技術もあるのか!ここで仕事をするものは皆特別なものを扱えるようだ!」

しかし、その言葉に辻谷君は真顔で。

 辻谷「いえ、この時代の人は当たり前のように使いますよ。特に、社会人は。」

 エルザはその言葉に又驚く。自分たちのいた世界とは全く違うということをこの目で、心で実感したからだ。