第一章 さまよえる者たち12

話はエルザが謎の男に敗れ去り、仮面の男が現れたところからだ。

 仮面「さすがは、魔人デミーラ。この程度ではつまらんと言わんばかりの顔だな。」

デミーラは空間を捻じ曲げながら現れた男のほうを向く。

 デミーラ「おやおや、わざわざあなたから会いに来るなんて。使いの者を遣ればいいじゃない?」

 仮面「まぁ、普通はそれでいいかもしれんな。だが、今回は紹介したいものがいるのでな。」

その言葉が終わると同時に、再び空間が避けるようにねじ曲がり、同時に何者かが現れた。

 

 エルザ「私は連中が何を話していたのか、気づかれぬよう気絶したふりをして見ていたが、間違いなく仮面の男が誰かを連れてきたようだ。」

 山本「そうか。やつらは誰を連れてきたんだ…って」

言い終わりたかったが、どうやら銀さんと元就室長、暇になって銀時を探していた土方さん、そして時空乱流対策室の人々も話を聞きたそうにじ~っと見つめている。

 一同「じぃ~~~」

私はため息をついて「しょうがない、一応歓関係者だから聞かせてあげよう。」というしかなかった。今までお世話になった上に、まったく無関係とは言い切れなかったからだ。

 そうして、一応関係者と思われる人々には特別に無線をつないであげることになった。ちなみに先に帰ってしまったようである辻谷クンと師範はというと…

 

 辻谷「師範、今度の修行内容はどうすればよいのでしょうか?」 

 師範「わからんのか!この戯けが。」 

帰りながらこちらとまったく関係ない話をしていた。 

 続きを話そう。時空の裂け目と思われる場所から現れたのは、仮面の男と同じ、黒地に赤い雲が描かれたコートを着た男だ。オレンジで毛先が鋭く、そして、その眼は非常に特徴的だ。仮面の男は手のひらを現れた男に向け、デミーラに紹介する。

 仮面「紹介しよう。彼の名は【ペイン】!! われらが【暁】のリーダーであり、【輪廻眼】を開眼せし男だ! ペイン

その言葉に私は驚愕せずにはいられなかった。まさか、あの伝説の目が存在するとは思ってもいなかったことだからだ。

 山本「り… 輪廻眼だと!本当にやつはそう言ったのか!」

 エルザ「間違いない。私もやつらにばれないようペインとかいう男の目を見させてもらった。私もあのような目を見たことがなかったからすぐ覚えられたよ。」