第一章 さまよえる者たち 14

再び回想に戻る。ペインと名乗る男は、デミーラを【輪廻眼】で見つめる。そして、彼に対し口を開く。

 ペイン「噂道理、まがまがしい気を放っているな、噂に聞く【魔人デミーラ】の力はほんとうのようだな。」

 デミーラ「そういったあなたも、すさまじい気を放っているわよ。これが、神の力を得たものの気というわけね。でも、そんなんじゃ、あの【ヤルダオバード】には到底かなわないわよ?」  

二人の放つすさまじい気は、今にも天地を揺るがさんとしているかのごとしである。仮面の男は二人に対してなだめるように話しかける。

 仮面「二人とも少しは喜んだらどうかね?これからは同志として【おおいなる計画】に参加するのだからな。特に、お前たちには特に期待しているぞ。」

 二人の放っていた気は落ち着き、あたりは静かになった。

デミーラ「それもそうね。あ、そうそう…」

 デミーラはマダラのほうを向き、質問を始める。

 デミーラ「【藍染】には話を付けてきたかしら?私は【ミルドラース】を説得してきたけど?」

 マダラ「案ずるな。ペインが話を付けてきた。それと、【ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ】には【ベアード】がはなしを付けてきた。それに、あの男にも話を付けることができた。あの【鬼神】とな。」 

 デミーラは大きな拍手をして「それは素晴らしい!!!」と驚嘆の声をあげた。

 デミーラ「しかしまぁ、これだけ多くの戦力が整ったとなると、これからどうなるか非常に楽しみねぇ!!さて…」

 デミーラは倒れているエルザのほうを向くと、右手をかざし、何かをぶつぶつと話す。

 デミーラ「彼女、どうしましょう?私が洗脳してあげるつもりだけど、そのためには、さっさと【計画の場所】に連れていく必要があるわね…」

エルザは青白く光る球体に包み込まれ、宙に浮く。後ろには、時空の亀裂が現れ、彼女はそこに吸い込まれそうになる。 しかし、気絶したふりをした彼女は渾身の力を込める。

 デミーラ「おや?あなた気が付いていたのね。」

 エルザ

球体、そして時空の裂け目めがけ、剣を振りかざす。

 エルザ「貴様たちが何か悪事ををたくらんでいるということは理解できた!このことをギルドの皆に伝えねばならぬ!

 エルザは「はあ!!」と力を込めると青い球体は力を失い、消えそうになる。だがしかし、仮面の男がペインとデミーラの前に立つと、彼女に【術】をかけ始める。