第一章 さまよえる者たち 17-1

エルザはそれからしばらく気絶していた。気が付いたときには、もう夜も更けようとしていた。

 エルザ「うっ…、どうやらしばらく気絶していたようだ。それにしても、いったいここはどこだ?」

彼女はあたりを見回してみると、ここは草叢のようだということは分かった。さらによく見ると、向こうのほうが非常に明るくなっていることがわかった。何か建物がある!彼女はその光に向かってただただ走る。

 エルザ「…ここは一体!?」

エルザが見たものは、ここ、【時空省】である。 今まで見たことのないその奇怪な建物を見て驚きの声を上げる。

 エルザ「どうやら、とんでもないところに来てしまったようだ。やつらが言っていたのはここか?」

そう驚いている彼女の横で何かが物音がした。

 エルザ「誰かそこにいるのか?」

彼女は音のする方向をみる。すると、草陰から再び物音がした。

 ?「ん?あぁ、私のことかな?ここならゆっくり読書出来ると思っていたんだけどね。そうだね【タカカゲ】君。」

 ??「そうだったんですけどね、【マキャベリ】さん。どうやら、誰か迷い込んできたみたいですね。」

仲良く本を読んでいた二人の人物。毛利元就の息子【小早川隆景】と、時空省【欧州】支部で、前に説明した【時空石】によって呼び出された偉人、君主論で有名な【マキャベリ】は、二人で仲良く読書を楽しんでいた。

 マキャベリ「一体どうなさったのかな?こんな奇妙な建物の裏側の、人が来ない茂みに?」

エルザは今までのことをマキャベリたちに洗いざらい話した。 

 隆景「そうですか。最近は本当にこうした事件が多いですね…」

 エルザ「私のようなものがほかにもいるのか!」

驚く彼女にマキャベリは落ち着いて話す。

 マキャベリ「先日二人程こちらに迷い込んできたんですよ。よろしければ、私が連絡しましょうか?」

こうして、彼女は今日という日に至る。ことの顛末は以上だ。