時空省外伝!辻谷広之の休暇
例え未来であっても、鹿児島市から見える桜島の雄大さは変わらずである。その桜島のふもとに、とある有名な【剣術道場】が存在する。その名は【辻谷示現流道場】。この時代でもアメリカで続いている【メジャーリーグ】で活躍している【辻谷広行】の父、【辻谷大成】が営む道場だ。その道場へ行くためには、市内からフェリーで向かう必要がある。そのフェリーに、二人の男が乗ろうとしている。
?「さて、久々の桜島はいかがですか、不破師範?」
不破【ふは】とよばれたその男は、半裸に青頭巾というたわけた格好でありながら、なぜか威圧的なオーラを放っている。
?「うむ、いつにもまして非常に雄大である!拙は非常に楽しんでいるぞ。辻谷よ!」
その言葉を聞いた【辻谷広行】は「それは何より」と返答する。彼の顔は非常に満足げな表情だ。
辻谷「そういえば、【すごい漢協会】のメンバーが久々に桜島に向かっているとの話ですが、久々の会合ですか?」
師範「うむ!そういうことになる!すでに、【ユリウス・ベルモンド】殿も来ているとのことである。拙は誠にうれしい限りだ。」
そう会話しながら船へ乗り込む二人の後ろから誰かが駆け足でやってくる。
?「ツ”ァ”ア”」
頭に白い鉢巻をつけた西洋人は、なぜか全身の力を込めて船に乗り込んでいく。彼の名は【リヒター・ベルモンド】。ヴァンパイアハンター【ベルモンド一族】のうちの一人だ。
リヒター「もう少しで出港の字間だったな…間に合ってよかった。」
あれだけ激しく乗り込んできた割には、一切疲れを感じさせないリヒター。汗がまぶしい限りである。
辻谷は心の中で【桜島フェリーは24時間営業だからそんなに当てなくてもよかったんだけどなぁ】と思うも、リヒターのためにあえて言わないでおこうと決めた。