時空省外伝!辻谷広行の休暇2

 それからすぐに出航時間となり、多くの人を乗せた定期フェリーは桜島へ向けて向かう。船の中には売店があり、そこでは菓子類やうどん屋などがあり、上の階に行けば眺めの良い風景が広がっている。15分ほどのんびりとした船旅だ。今日は素晴らしい晴天で空には鳥が気持ちよさそうに飛んでいる。くつろいでいると時間があっという間に過ぎ、桜島に到着する。

 辻谷「やっぱり故郷はいいよなぁ~。今日も桜島雄大だ!」

火口から噴煙を上げる巨大な島であり、山でもあるこの島は、この話を読んでいる皆さんより未来の世界でも変わらない。壮観だ。

 リヒター「本当にそうだな、故郷のルーマニアには、こんな火山はそうそうお目にかかれない。私も、活火山を見るのはこれが人生で初めてだ。」

 辻谷はその言葉を聞いて非常に喜ぶ。世界でも珍しい、人が住んでいる近くにこのような火山があることは、彼がよく自慢しているほど気に入っているからだ。

 師範「うむ!今日もこの島は活気にあふれている。【辻谷師範】、そろそろ、主の父がいる剣術道場に向かわれてはいかがか?」

 辻谷は「そうだ、そろそろ行きましょうか。」と、船からおり、フェリー乗り場がある建物に入ろうとした瞬間。島内、いや、鹿児島市内中に爆音が響き渡る。桜島の【爆発】である。

桜島が噴火することを、地元の人はよく【爆発】と呼ぶことがあるが、実際に見てみると、成程そういう表現をする理由がよくわかる。折角なので、21世紀の噴火の様子を乗せたので見ていただきたい。 

桜島噴火

 リヒター「おお!これが噴火か!これはすごい!」

リヒターは火山の噴火を見て、興奮気味にかなり語気を荒げる。よほど驚いたのだろう、その光景をまじまじと見続けている。 リヒター「このようなところに、かの有名な道場と協会があるとは、感慨深い!」

 辻谷「そうさ!ここにはいろんなものがあるんですよ、リヒターさん!せっかく【すごい漢協会】の一員になって一か月、今日は初めての本部に来るのですから楽しんでいってください。

 我々はすぐに協会と道場のあるところまで歩いて移動を始める。二つの建物は、隣同士なので三人の向かう方向は同じだ。ちなみに、辻谷君は両方に所属しており、両方で重要な【ポジション】についている。