時空省外伝 辻谷広行の休暇 13
司馬懿「さて、お前たちが集まった理由として挙げられるのが、こいつらの討伐であろう。」
司馬仲達は、とある写真をみなの前に見せる。その写真には、青い色をした怪物のようなものが映り込んでいた。特に、その写真を見るや否や、すぐに反応を示した二人がいた。リヒターとユリウスのベルモンド一族である。
リヒター「まさか!こいつの名は【ギャイボン】という、俺の時代にいた怪物じゃないか!しかし、なぜこいつがこんなところに?」
ユリウス「おお、そうでした!ご先祖にはまだ話していませんでしたな。あなたをこの協会へ誘ったのはこいつが原因でしてな。最近目撃情報が多くなっているのですよ!」
その言葉に添えて、妖怪に詳しい一反木綿がさらに解説を加える。
一反木綿「ほんと、最近知り合いの妖怪からもよう話を聞くようになったばい。昔はこげん妖怪を見たことなかったけん皆怖がっとるとよ~。」
さらに不破師範も一反木綿のセリフの後に解説を加え始める。
師範「しかも、この写真以外にも様々な妖怪どもが集まってきているという情報も入ってきている。それ故今回はそなたたちも呼んだのだ。」
辻谷はその言葉にすぐさま反応する。故郷鹿児島でこのようなことが起こっているとならば立ち上がるしかない!辻谷広行という人間は、昔からこういう男だ。誰かのためにはひと肌脱ごうとするのは今でも変わらない。
辻谷「そうか。久しぶりに、わが故郷のためにこの木刀を使う時が来たというわけか…。分かった、【すごい漢協会会員ナンバー2】である俺が出るしかないだろう。」
その言葉に、周りのメンバーの士気は一気に上がる。その意気、まさに天を衝くほどだ。
アドバーグ「おお!あなたが加われば百人力ですな!期待しておりますぞ!」
雷電「うむ、そなたがおれば私も安心できますな。」
だが、そんなメンバーとは全く逆のローテンションであるのがスコールとハーメルである。
スコール「…なぜだろう、頭痛がしてきたのは気のせいだろうか…。」
ハーメル「いや、俺も頭が痛くなってきた。正直、相当不安だ。」
そんな二人のもとへこっそり傍に寄り添う人物がいた。司馬懿である。
司馬懿「まぁ、そうだろう。あの者たちの情報は【次官殿】から聞いている。うまくあの者たちをわが智謀で動かせるか不安で気分が悪い。」
なぜこの三人がこのようなリアクションをとるのか?それは、この日の夜になってからその言葉の意味がよくわかうこととなる。