時空省外伝 辻谷広行の休暇 15-2

 スコール「やれやれ、ここまではあの【司馬懿】とかいう男の言う通りとなったわけか。」

 辻谷「確かにな。さすがは諸葛孔明の最大のライバル。その頭脳はただ事ではなかったな。」

四人は、ふもとの妖怪たちを倒しつつ、敵を引き付けるように動き始める。

ここで一旦少し時間を戻そう。どのくらいまで戻すかというと、【すごい漢協会】に集まった【すごい漢】たちの前で、司馬仲達は、作戦の内容を皆に語り始めるところまでである。

 司馬懿「さて、諸君らには私の策を実行するためにそれぞれ役割分担をしてもらうこととしよう。まず、ユリウス殿。」

 ユリウス「うむ、私は何をしたらいい?」

ユリウスは司馬懿のほうに真剣に耳を傾ける。司馬懿も彼を活かそうという真剣な目つきで彼を見つめる。

 司馬懿「貴殿には、林の中で堂々と歩いていてもらいたい。これはあなたに【囮】となってもらう。」

司馬懿は彼に確認をとろうとするが、ユリウスは落ち着きのある雰囲気でこう答える。

 ユリウス「ふむ、私が囮か。それはまたなかなか面白い作戦だな。一体何か考えがあるのですか?」

 司馬懿「勿論だ。お前ならやつらに対してもいろいろな意味で効果的だろう。おそらく、ベルモンドの血族をやつらは恐れているだろうからな。いいひきつけ役になる。それと、辻谷、スコール、そして一反木綿殿!」

司馬懿は三人のほうを向き、説明口調かつ言い聞かせるように話す。

 司馬懿「お前たちにはユリウスと共に暴れまわってもらう。その間に…」

司馬懿は次に、残りのメンバーのほうを向き、最後の策を言い始める。

 司馬懿「リヒター!お前が率いる別働隊が一気に敵本陣を落とせ!細かいことは作戦中に同行する私に聞いてもらって構わん。よいな!!」

 その言葉に全員その策に納得し、夜に向けて準備をして、今ここに至るというわけだ。

 一反木綿「いやぁ~ここまではうまくいったのはよかことばってん、残りの皆は大丈夫か心配になるバイ。」

 辻谷「安心しろ、こちらには…。」

辻谷の向く方向には、 

  

 ドゥエドゥエ言いながら敵を踏みつけるユリウスの姿があった。

 ユリウス「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥエ!!」

その超高速急降下キックのまえに、数多くの西洋妖怪どもがやられていった。

 妖怪たち「あぁ、また負けるのね、この変態に…」

 辻谷「ドゥエドゥエ言いながらゾンビども踏みまくる、まごうごとなきヴァンパイアハンターがいるっっっ!!」

辻谷は、その隣にいるスコールがその光景を見て、ドン引きしていることに気づいていなかったのか。それはどうかは本人しか知らないのであった。どのくらい気持悪いか【というより爆笑ものなのか】はこの文字をクリックしていただきたい。…いかに、スコールがドン引きするほどの【変態挙動】であることがわかったであろうか。