時空省外伝 辻谷広行の休暇 22
彼らはそんなことも知らずに山を下り、人間たちに襲い掛かろうと準備をする。だが、妖怪たちは、何かが山を上がってくるのを感じ取る。
狼妖怪「なぁ…お前何か感じないか?」
トレント【西洋のお化け植物】「あぁ、なんか今まで感じたことのない気が」
ジャック・オ・ランタン「まさか…やつが?いやいや、奴はもう死んでいるはずだぞ」
妖怪たちは、何かを感じ取ったようだ。総大将の二人もその気を敏感に感じ取る。
経凛々「ま…まさか、この気は… まさか、やつなのか?今から500年以上前、霊能力者100人相手でもこの地の【あやかし】を抑えられなかったのにも関わらず、たった一日で制圧したあの男が来るのか!!」
協会のメンバーは、敵の策に引っかかったふりをしたのをやめ、【してやったり】という顔をする。そう、勝利は決まったようなものだからだ。それは太平洋戦争の時である。アメリカが「その男が後【9人】いたら、負けていた」と評した、その男が、25世紀になって再び現れたのだ。
ギャイボン「な…何がやってくるというのだ?」
経凛々「おそらく、最強最悪の男だ。…むっそこか!!」
恐怖のあまり、魔力をもつ文字を、威圧されそうな雰囲気を持つほうへ投げつける。しかし、それは男の一言でかき消されることとなる