二章 導入 Drăculea Vlad Ţepeş【ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ】14

 DETH「やれやれ、いってしまわれたか…。仕方あるまい。マダラ殿は忙しいと聞き及んでおりますからな。さて、嬢ちゃんわしらはそろそろ持ち場に…む?どうした、その顔は?」

 プロセルビナは何故か顔が赤くなり、ぼーとした表情で宙を見つめている。

 プロセルビナ「あんなにイケメンな人だったなんて!!それに、何なのこの胸の高鳴り… もしかして、恋?これが恋いなの!!」

その姿を見て頭を抱え込む死神をよそに、彼女は自分の世界に浸っているのであった。先ほどは嫌な奴とかいっていたのにも関わらず、現を抜かす彼女を見て呆れかえってしまった。

 DETH【やれやれ、このようなことではこの城は守れんというのに…。む?あの本は。」

 その本は、ドラキュラが敵を罠に落とすために使用した本だ。死神はその本を手に取り、表紙を見つめる

 DETH「…うむ、久しぶりに、書でも楽しむとするか…。まだ敵も来ぬだろう。少し、娯楽に浸るとしよう。」

 

そうして彼は、見開きをあけ、その本の冒頭を読み始める。

同じころ、古志城でも、主の帰りを待つ妲己も自分が買ってきたその本を手に取って読み始めようとしていた。

 妲己「久しぶりにこういった本を読むのもいいわねぇ。なんか【グロイ】表現とかありそうでワクワクするわ!!」

相当危ないことを楽しそうに口走る彼女。その態度からどのような性格かわかりやすいものである。

 妲己「ん~、でもこの本を使ってあの人を復活させるなんて、あの科学者とかいう人やるわねぇ~。確かに、古来より書物にはいろんな力が宿っているとは言うけれど、この本はそれに最適!そして、本を読む相手は強力な力を持った同族の妖怪。その力を用いれば復活も簡単にできるわよねぇ~。な~んてことはよいとして…」

そうして、次元が違う場所で、人ならざる者たちは、同じ本を読み始めるのであった。

おまけ ドラキュラX OP