時空省外伝! 辻谷広行の休暇28

 陸奥「ん?電話かな。この時代の電話になかなか慣れないんだよな。そもそも、俺の時代は携帯電話すらなかったし。」

そんなことを口走りながら、彼は道着の中から、少しばかり慣れない手つきでヴィジョンを取り出す。すると、電話越しから司馬仲達の声が聞こえてきた。

 司馬懿「ふむ…どうやら繋がったようだな。私もなかなか慣れぬもので少し時間がかかってしまった。さて、お前たちに中国時空省や日本時空省、そして、アメリカ時空省からも連絡が入った故、連絡したまでだ。お前たちは今から【仮想十九世紀】に向かう予定だったのかもしれぬが、急遽変更してもらいたい。」

 横で聞いていた協会メンバーは突如聞かされるその言葉に唖然とする。もちろん、そのリアクションは当然であろう。只一ついることは、よほど何か重大な事態が進んでいることに違いないということだ。

 ユリウス「ふむ、いったいどうしたというのだ司馬懿殿。あなたから電話をかけてくるとは珍しい。行く場所を変更するとはよほどのことがあったとお見受けするが」

 司馬懿「あぁ、そうだ。唐突であるが、向こうへ着いたらすぐさま【21世紀のアメリカ・デスシティーへ向かってもらいたい。五つあるうち二つの【時空石】が、同時にそこで何かが起こるという反応を始めたのでな。」

 普段は落ち着いており、怒る時を除いてクールな彼が珍しく語気を強める。間違いなく、よほどのことであることはこれで確定した。

 辻谷「時空石が二つ同時に光る?そんなことは少なくともここ100年はなかったことじゃなかったか?まさか…。」

辻谷は恐ろしい予感をする。そう、それは…。

 司馬懿「そうだ、辻谷。お前が考えている通り、【Aクラス】の事件が起ころうとしているということだ!!」

そこにいる面々は驚きの表情を隠せないでいた。

 ここからのちの話は本編に戻ってからとなる。最後に、この外伝のエピローグを持って終わりとしよう。