第二章 前日 3

 山本「おいいいぃぃぃっっっ!!! お前らいつ乗ったんだよ!」

そんな私の突込みに対し、銀時が

 銀時「ん?いやー始めっから乗ってたんすけど、気づかなかったんすか?」

と返した上に、郭嘉さんが、

 郭嘉「どうやら、私の指示で静かにしすぎたのも問題だったようだ。」

と追加で返答した。

 

まったく、いつの間に乗ったのかは私からしたら皆目見当もつかんが、これだけの人数よく入ったもんだ。驚きなのは、座席以外にも、後ろの荷物を入れるところに無理やり入っているようだ。入っているのは、【良牙 ゾロ 冴羽】の三人である。

 

 冴羽「まったく!な~んでこんなところに押し込められてんだ!折角なら、俺をエルザさんの隣に!」

 

 

 エルザ「座らせん!!誰が貴様のような男を私の横にいさせようか!!」      

 

 一体何があったのか知らないが、彼女はめちゃくちゃ怒っていることは確かだ。…おそらく、読者の中で彼のことを知っている人は察しが付くだろう。彼が何をしたのかを。因みにエルザは私の隣、要するに助手席に座っている。他のメンバーは二列の席を、四人ずつ座っている。ほかの並び順は、車の正面から見て左から順に記すと、私のすぐ後ろの列には【エルリック兄弟】と【毛利親子】 そして残った後ろの列に【王ドラ】【郭嘉】【ハヤテ】【銀時】という順番で座っているといった感じだ。

 ハヤテ「いやぁ、何というか、まさかこの時代へ来てこんなことになるなんて…。いくら【長官】の命令でも、これはきついなぁ。」

 王ドラ「まぁ、気にしなくても大丈夫ですよハヤテさん、何とかなりますよ。ほら、正面のお二人なんか楽しそうですし。

正面の二人とは、【毛利親子】のことだ。二人とも、いろんな時代の人と会えてものすごくテンションが上がっているようだ。

 

 元就「いやぁ~、もうすごいよ!このまま昇天してしまいそうな勢いだ!!だろう!隆景…おっと、まだ死ねないけど。」

 隆景「はい!私もいろいろな時代の人と出会えてとても興奮しています。」

そんな二人のテンションとは逆に、落ち着いているのはエルリック兄弟と良牙、そしてゾロの4人だ。因みに、アルファンスの中にエドワードがいるということを言い忘れていた。そうでもしないと、エドワードは中に入れないからである。そんな鎧の中から、エドワードの声が金属音で反響しながら聞こえてくる。それに続き、残りの三人が返答をする。

 

 エド「う~ん。時空移動ということに対する研究を図書館で学んだけど、ほんとに出来るんだな。」

 アル「そうだね。もうすでに僕たち二人とも経験してるんだけどね、兄さん。」

 良牙「…と、あの二人は自分たちの研究に関する話をしてるみたいだが。」

 ゾロ「ったく、楽しそうで何よりだよな、あいつら。まぁ、じゃれあうより俺はこうしていたほうがいいけどよ! ただ、筋トレは出来ねぇがな。」 

 

 このように、車に乗っている出身も時代も違う13人は、私のマイホームへと向かう。しかし、誰かがいっていた、長官の命令というフレーズに私は引っかかった。長官命令でこれほどの人を向かわせるとは、何が起ころうとしているのか。気になる私は、この中で一番しっかりしてそうな【エルザ】にそのことを試しに聞いてみることとした。