第二章 前日5

 隆景「どうやら、敵の追っ手が来てしまったようですね…。」

 元就「あぁ、そうみたいだね。それじゃ、はじめは我々が向かうとしようかな。」

そういい放つや否や、すぐさまワゴンからスライドドアを開けてすぐさま飛び降り、角都から生える触手を切り離し始める。初めに、隆景が左手に持っている書物から水泡を飛ばし、角都の視線を遮ったのち、元就が【矢手甲】と呼ばれるクロスボウから矢を発射する。

 

 角都「む?敵の攻撃か…ならば、【火遁!頭刻苦!】〔ずこっく〕

角都はそう唱えると、触手のようなものから仮面のようなものが出てくると、炎を吐き出し、それをすべて燃やし尽くした。

そのおかげか、車に伸びてきた触手を無事に追い払うことはできた。 

 

車を運転している私や車に乗っているメンバーもその光景を見つめる。皆は二人を心配して呼び戻そうとしたが、

 隆景「心配しないでください!私たちもすぐに向かいます!」

 元就「安心して問題はないさ。伊達に、謀略の限りを尽くして長生きはしていないよ。」

そう大声で返す二人に対し、エドは当然

 エドワード「本当に大丈夫なのか?」

という答えを返す。そんな彼に冴羽さんが

 冴羽「いいんだよ、あの戦国時代のお二人は肝が据わってるんだろうし、それに…」

いままでお気楽な話かたをしていた彼が、口調も顔も引き締まったものとなり、真面目な返答をする。

 冴羽「あいつら、どうやら本気で食い止めるつもりらしいからな。これは、あと四人に備えて…る暇はなさそうだな。」

 郭嘉&ハヤテ「どうやら、そのようですね…【だね…】」

彼ら以外にもどうやら残りの敵四人がいることに私を含め、皆その存在に気づき臨戦態勢を取る。

 

一人目は、車進行方向、すなわち真正面にすでに立っていた。私は、彼の姿を見るなり、すぐに乗車しているメンバーに

 山本「みんな、すぐにでも車から飛び降りる準備をしろ!」

と指示をだす。何故そのようなことをしたか?それは、敵が【南斗紅鶴拳】という恐ろしい拳法の使い手であるということを知っていたからだ。

 

「ふっ、山本とやら、どうやらこの俺の美しさで誰だかわかったようだな。しかし…」

その拳法家が指を二本立て、そのまま車を指さすがごとく、正面に突き出すような構えをとる。そうすると信じられないことに、皆が乗っていた車が縦に真っ二つにされてしまったのだ。

 ?「この、南斗紅鶴拳の使い手、そして、妖星の星をつかさどるこの【ユダ】の敵ではない!」