第二章 前日8
桃白白「おや、少年?そこで何をしているのかな?」
そんな彼の目の前に現れたのは、名の知れた殺し屋である【桃白白】だ。
ハヤテ【あぁ…これはまずいことになったな…僕は今日、元の時代に帰ることができたはずなのに】
ここで、彼について簡潔に説明しよう。元々は、21世紀でとあるお嬢さんの執事として働いていたのだが、どうやら彼もなぜかしら、この世界に迷い込んできたようだ。そして今日 ━という表現は正しいかはわからないが、元の世界に戻ることができるはずであった。しかしながら、このありさまである。こればかりは、今回の作戦で彼を選んだ長官を恨むほかないだろう。
ハヤテ「でも、ここはやるしかない!!お嬢様に再び会うために!」
青年は、果敢にも暗殺者である【桃白白】に挑みかかる。
そんな彼に、さわやかな雰囲気を持つ青年が颯爽と現れた。先ほど私の車に乗っていた軍師【郭嘉】である。
郭嘉「おやおや、ハヤテ君。慌てたらよくないよ。いくら【万能】な君でも相手は凄腕の暗殺者であるからね。それと、ほかの皆にはすでに伝えているけど、人数的にはこちらのほうが敵の倍の人数がいるから、二対一で戦ったほうが有利だ。そうすれば、敵を各個撃破してほかの救援に向かえるというメリットもある。そうすれば、早めに戦いを終わらせられるはずだからね。」
その言葉をうけ、ハヤテは郭嘉の作戦に乗ることにした。そんな二人相手にする状況の桃白白は余裕の表情だ。
桃白白【どうやら、かなり楽な相手を務めることになりそうだな。何せ、こんな弱そうな若造を相手にすることになるのだからな。さて、軽くあしらってやって、さっさと報奨金をもらうとしよう。】
桃白白は、余裕の態度を示すかの如く、腕を後ろに組んだまま二人に襲い掛かり始めた。
郭嘉「どうやら、敵のほうから来たようだね。ならば…」
ハヤテ「こちらも、引き締めていきましょう。」
こうして、戦いの火ぶたが切って落とされ始めたのであった。