第三章 BERSERK 3

ガッツ「そうかい。なら、あんたは俺にとって敵ってことでいいんだな?!」

ガッツの顔つきが再び怪物たちと戦った時の表情になる。いや、今はそれ以上の憎悪がこもった顔だ。今にも、すべてを飲み込んでしまいそうなその威圧感を全身から醸し出す。

ヴァレンタイン【な、何だ。さっきあったばかりでこのようなことを言うのはおかしいかもしれない!ただッ!明らかに表情が変わったッ!!あの男は今まさに復讐者!そう、復讐に燃えている男の顔を見せているッ!!!!」

 ガッツはヴァレンタインが横で驚いているのを気にせずに気にせず、目の前の強大な怪物にとびかかる。人間としては大柄なガッツではあるが、首のない騎士は彼よりもはるかに大きい。だが、騎士ではない【ベルセルク】にとっては何の問題もない話だ。

 デュラハン「ぬぅ、やりおるな!これが噂に聞く【黒い剣士】!世の中は広いものだ!野にはこのような逸材がいるものだな!

 まず、驚きなのが巨大なスピアを持っているデュラハンより巨大な【大剣】を振り回すガッツのほうが、おそらく力としては上だ。風を斬り裂くその巨大な剣は、風を斬り裂く音と同時に、眼前の敵に襲い掛かる。段々と音が鳴るの間隔は小さくなり、ついには巨大な金属音がするまでになっていった。

 

 一方、その頃辻谷たちは今までいた敵の大群が急に消え去ったものの、今だに赤い荒野が広がっているだけの景色、身動きが取れず、、乗ってきたイギリス車の前で茫然としているのであった。

 アタランテ「ふむ、突然敵が消滅するとは奇妙なことだな。」

 陸奥「確かに、あたりに敵の気配が一切ありませんね。誰かが辻谷さんの言う、術者とかいうものをを打倒したのでしょうか?」

話を振られた辻谷は、いつものふざけた雰囲気から一変し、ごく一部の人しか知らない真面目な表情をした【剣士】として答える。

 辻谷「それなら、まだだろうな。この赤き荒野が広がっているということは、大元は立っていないということだ。」

 アンデルセン「成程、まーだ神に仇名す者どもがうろついているというわけですね。」

 リヒター「そういうことになるな。しかし、問題の術者は一体どこにいるのか見当もつかん。」

 李「では、探しに行くか?どこにいるかもわからない術者とやらを」

その提案に対し、辻谷がやめておいたほうがいいと拒否する。一同は彼のほうを見て、何故辞めたほうがいいのかという視線で見つめると、彼は静かにこう答えた。

 辻谷「恐らく、【彼ら】が間もなくやってくる。」と