第三章 救援3
アンデルセン「おやおやぁ。これは厄介なことになりましたね…。」
これで、自分たちの足は無くなった。それに、金銭面的な意味でも一気に厳しいものとなった。
逃げるのが一瞬遅れた面々は、軽いやけどを負ったものの、軽症ですんだ。
リヒター「…なんとか無事だったようだな。車はもう駄目なようだが…」
イタチ「どうやら、そのようだな、リヒター・ベルモンド。…おかげでこちらの戦果は上々だ。さて、このまま俺が相手をしてもいいのだが?」
暗がりに光る【写輪眼】を、暗闇に輝かせながら、うちはの歴史の中でも屈指の忍とうたわれた男が、一際大きい石版の上から面々を見下ろしていた。
ヴァレンタイン「貴様ッ!いつからそこにいたッッ―!!」
ヴァレンタインの問いに対し、イタチの答えは、今の今まで
イタチ「ああ、先ほどからずっといたが?…早くしないと、マダラが逃げるぞ?」という答えを返した。
その言葉に気づいたときにはすでに遅し。マダラと松永はすでにこの場にはおらず、すでに、時空転移を完了していた。
一体どのような原理なのか、理解に及ぶものではないが、この空間に取り残されたのは彼らのみとなっていた。
辻谷「しまった、取り逃した!」
なんというありきたりなミスか。気を取られたうちにこうなってしまうとは。
イタチ「…さて、俺たちはここに取り残されたわけだ。」
まただ…、あの時と同じだ…。あのとき、自身二度目の敗北を喫したときのことが突然脳裏をよぎった。
あれは、初任務の時だった。自身の剣筋を見切られたのはこれで二度目。一度目は、わが友と対決したとき、そして、二度目は昨年のことだ。
?「天井裏に隠れ、そこから私の脳天めがけて放つ。悪くはない。しかし、その程度では私を殺すことはできん。」
信じられない。何が起こったのか、理解ができなかった。任務の内容は、隠密行動。20世紀の日本へ来日したある男から、機密情報を聞きだすことだった。