第三章 救援5

 犬夜叉「もう少しだ!結構重層な結界だが、この赤い鉄砕牙なら誠一の言う通り、何とかなりそうだ。」

赤い光に覆われたその妖刀は、着実にだがその結界を打ち破ろうとしていた。

次第に、竜巻のような形として現れた結界は、次第につむじ風程にまで弱まってきた。しかし、安心してはいられない。

この結界が弱まると共に、この結界を守るため、辺りから怪物たちが寄ってきたのだ。

そのことを読んでいた山本は、この時のために、対妖怪専門の者たちを呼んでいたのだ。

 ?「けっ、なんか寄ってたかって来やがる。潮!こんなやつらに負けんじゃねぇぞ!」

 ?「問題ねぇ!これぐらいの相手ならさくっと終わらせてやらあ!」

嵐のように襲い掛かる怪物たちにまったく引けを取らずに戦う巨大な槍をもった少年【蒼月潮】と東洋の大妖怪【とら】もそのうちに入る。彼らは、元々【白面の者】と呼ばれる怪物を倒すために多くの戦いを乗り越えてきた名コンビだ。今回彼らが協力してくれたのは、敵に白面の者の部下がいるということだからだ。

 潮「…と言ったのはいいけどよ、ここには白面の部下は混じってねぇな。」

 とら「ま、そうらしいな。こいつらとっとと片づけてなんかうまいもんくわせろよ!」

雲霞のごとく押し寄せる怪物たちに善戦する潮たちの傍らに、もう一人の少年も善戦する。学生服の上から、黄色と黒のちゃんちゃんこを羽織り、片目が髪の毛に隠れている独特の容貌をした彼【ゲゲゲの鬼太郎】も助っ人の一人である。

 鬼太郎『向こうは向こうで善戦しているようですね。しかし、これほど多くの西洋妖怪を集めているとなると、やはりやつが関わっている可能性がいよいよ高くなったというわけか。』

彼は、心の中でそうつぶやいた。元々、日本の妖怪である彼がここアメリカまで来た理由は、西洋妖怪のドン【バックベアード】が、近々大きな動きをここアメリカで見せようとしているという情報が入ったからだ。日本で悪い妖怪を懲らしめることがほとんどを占める彼にとっては久々の海外ということになる。

 鬼太郎「まずは、正面の敵を叩くことが先決。でないと、まずここから救援にも向かえない。」

それもその筈。怪物たちはまだまだ湧いて出てくるため、ここは足止めするしかないという状況だ。

だが、彼らのおかげで、もうすぐ結界を破壊できるという所まできた。あと一撃、結界の弱点となるところを攻撃するだである。