吉良吉影は、平穏に暮らしたい 8

 マダラ「ほう、そこまで準備ができているのなら話は早い。それならば、直ちに儀式を始めてもらおうか。終わり次第、戦闘を開始するつもりだ。」

 遠呂智「そうか。ならば我もそうするとしよう。…それで、マダラよ。強者は揃えているのだろうな?

 マダラ「案ずるな。お前が狂喜乱舞しそうなほどの強者をそろえてある。…しかし、何故貴様は強者にこだわる?ドラキュラ伯爵も少し気にしていたようだが?」

遠呂智は術式を完成させるための準備をしながら、マダラの話に耳を傾けていたが、少し動きを止め、天を見つめた。

 マダラ「そうか、あ奴らに見せつけるためか。たが、【天界】も黙ってはおるまい。再び時空を巻き込んだ騒乱を起こすだけでは飽き足らず、更に地獄を見せるつもりか。…いいだろう。術式を完成させ、早く俺にその地獄を見せてみろ。」

遠呂智は、笑みを浮かべると再び術式を完成させるための儀式を再開させる。もう間もなく完成するそれは、これから始まる地獄の入り口となるものだった。

 そんなことはつゆも知らない吉良吉影は、自宅に戻ってゆっくりしていた。明日からはあのマダラから与えられた仕事を淡々とこなさなければならない一日が始まる。ダイニングに飾ってある時計を見ると、もう夜の9時だ。もう寝る時間なのか。休みが終わるのは実に速い。まだまだのんびりしていたいが、生きるためには仕事をする必要がある。もうそろそろ就寝の準備をしなくてはならない。

 吉良「さてと、明日の準備は終わったね。マダラから聞いた話によれば、明日行く職場はなかなかいい雰囲気らしいじゃあないか。まぁ、じゃれあいは好まんが、クズどもがいるよりは遥かにましだ。さて、適当に本でも読んで寝るとしよう。明日も、朝は早いからね。」

吉良は、いそいそとベッドルームに移動し、読書をしながら残りの短い時間を有意義に過ごした。