異世界侵攻録 逃亡と進行 12

 銀時「そうか。苦労してんだなお前ら。あんまり俺もうまいこたぁ言えねぇがよ。良く頑張って来たもんだ。」

 エド「まぁ、うん。そうだなぁ。確かに、なんか俺たちもいろいろあったよな、アル」

 アル「そうだねぇ。色々あったよねぇ。なんか色々あったけど、長かったよで短いよね…。」

話を聞いていた一同は、片手に自販機から購入した飲み物を飲みながら【一部は泣きながら】感慨に浸っていた。皆己の過去を振り返りながらだろうか、一層感情的になっていた。

 リナリー「そうね…あれからいろんなことがあったわねぇ。ミランダさんのこととかクロウリーさん。そして、千年伯爵たち。やっぱり、帰る場所があってこそよ!うん、そう!そうよ!やっぱり取り返さなきゃ!私たちの居場所を!」

 神田「いきなりどうした?はしゃぎだしたりして。」

神田は急に元気になったリナリーをみて思わず驚いてしまった。それもそうだろう。先ほどまで意気消沈していたはずの彼女が何か思い立ったように態度を変えたからだ。

 

 リナリー「あ…急にはしゃいじゃった。いや、その、なんていうか。そう、あなたたちは自分たちの帰る場所をなくしちゃったかもしれない。でも、私達はやっぱり帰る場所がないと駄目だなって思っちゃって。」

 ラビ「ははっ、そうだな。ま、エドワード君たちの話を聞いてたらなんか感動しちまったけど、俺たちはそこまでのことはできねぇよなぁ。な?神田」

 神田「あ、ああ。そうだな。でないと、仕事もできん。…出来れば取り返さなければな。」

何故だかわからないが、彼らの過去を聞いて、自分たちも負けてられないという流れに彼らの中ではなっていたようだ。

 司馬懿「うむ。若いもの同士、いい刺激となったようだ。」

 元就「そうだね。…ちなみに何故か私も刺激を受けたよ。私も若いのかな。」

何故だか司馬懿は元就の顔をみて納得してしまった。確かにあなたはまだ若いと妙なまでに思ってしまったのだ。

 司馬懿「う、うむ。そうか。それは良かった。…ん?なんだ?誰かから連絡が来たようだが?何!それは本当か!ぬぅっ、好い知らせと悪い知らせがこうも一度に来るとはな。」

休憩室になり響く通信機。その音のほうがする場所、すなわち司馬懿がいる方向を皆一斉に振り向く。