異世界侵攻録 進展 1

 元就「どうしたんだい?何か連絡があったようだけど。」

 司馬懿「ああ、これはこの場にいる面々にも関係することだが、今この場で話しても構わんか?」

一同は首を縦に振る。恐らく、重要な話であることは間違い無い。答えは一つ。今ここで覚悟を決めて聞くしか選択肢はない。

 葉「流石のおいらにも今の状況は分かるよ。是非聞かせてもらえないかな?」

司馬懿は皆の目を見て、どれほどの覚悟ができているか見極めようとしていた。問題はない、彼らの瞳に曇りなし。なら、この事件のを解決するため、そして進展させるために言わねばなるまい。彼は、ゆっくりと口を開き、知らされた情報を話し始めた。

 司馬懿「うむ、まずは悪い知らせからだ。どうやら、敵が進行したのはお前たちの世界のみだけではなかったようだ。」

 神田「そうか、…何か嫌な予感はしていたが、敵は複数で行動していたというわけだな?」

 司馬懿「そういう理解で問題はない。その通りだ。しかも、厄介なことに、敵の大将はあの【呂布】というではないか!」

呂布。その言葉に元就が反応する。そう、司馬懿が生活躍していた時期こそは違えるものの、同じ三国志の登場人物である最強の武将の名前に思わず体が動いてしまったのだ。

 元就「なんだって?あの呂布も敵にいるのかい?」

 司馬懿「残念なことだが間違いはなさそうだ。この資料に添付されている写真に目を通してくれれば一目瞭然だ。見せてやろう。」

司馬懿は、電子メールに添付されてた写真を一同に見せる。その写真をみて、三国志を読んだことのある葉も、まるで何かを少し思い出したかのように目を見開いた。

 葉「あ、見たことある。この人三国志で一番強い人なんだよね~」

 エド「ん?三国志?なんだそれ?」

 司馬懿「ああ、我々が生まれた元の時代をまとめた歴史書の名前だ。まぁ最近はそれをもとにした小説や、更にそれを意訳した漫画などを指す場合が圧倒的に多いがな。でだ、この呂布という男だが、麻倉が言うように、その時代で無双と呼ばれるほどの豪傑だ。活躍した時代は私と少しずれるがな。」

 司馬懿は、皆に見せていた資料を服の内側にしまいこみ、今度は懐から【羽扇】と呼ばれる、鳥の羽で作られた扇子を取り出した。