異世界侵攻録 進展 3

話はスタンド使いと死神たちの抗争へと遡る。白夜は未だ卍解をせず、遂に始解すらも行わなくなった。完全に舐められているその現状に、サーレーは忸怩たる思いをしていた。どうやら戦っている間にこちらの単調な攻撃に飽きてしまったのか目が慣れてきたのか分からないが、段々攻撃を避けるだけになっていたようだ。

 サーレー「チキショウ、このままじゃ埒があかねぇ!なんで敵さんはこっちに攻撃してこねぇんだ?」

彼はこの現状にイライラしているようだが、白夜兄妹がサーレーたちに手を出せないのは他にも理由があった。理由の一つは、敵の能力である。ジョゼの能力はよく分かったが、サーレーの攻撃方法が一体何であるのか分からないため、白夜兄妹は迂闊に手を出せないのだ。

二つ目が攻撃方法である。サーレーたちは、近距離が主体の相手に遠距離攻撃を続けていた。これが原因でなかなか互いの間合いがバランスよくならない上に、白夜兄妹が攻撃をかわすため、更に戦いが進まなくなっていったのだ。

 サーレー【あ~、いい加減本気を出してくれよ!じゃねぇとよ!俺のスタンド【クラフト・ワーク】の本凌発揮出来ねぇだろうがよ!…仕方ねぇ、ここはあまり使いたくねぇが、この方法を試してみっか!】

サーレーは一旦攻撃を止め、同時にジョゼにも攻撃をやめるよう指示を出す。今まで幽鬼の兵相手に苦戦していた朽木兄妹は何事が起こったのかわからないが、少なくとも相手が攻撃が止めたので思わず自分たちも攻撃をやめた。

 ルキア「ん?敵の攻撃が当然止んだ。これは一体どういうことなのでしょうか兄上?」

 白夜「うむ。敵に何かあったようだな。何かをたくらんでいる可能性もある。気を抜くな。」

二人は緊張を解くことはなく、引き続き敵の二人に注意しながらいつでも戦闘態勢に戻ることが出来るようにしていた。その敵であるサーレーは、一体何を思ったのか知らないが、離れたその位置から突然大声で何かを叫び始めた。