異世界侵攻録 進展 4

 サーレー「おーい、俺の声が聞こえるか?聞こえるなら返事してくれ!」

 白夜「ああ、聞こえるぞ!一体どうした?突如攻撃を止めたようだが、我々に攻撃を当てることが出来ぬと諦めたか?」

 サーレー「さーどーかな!でも、確かにこのままだと埒があかねぇのはお互い様だ。そこでだ、ここで取引をしないか?」

いきなり何を言いだすのかと思えば、まるで上から目線で取引をしようなどと言い始めたサーレーに、思わず苛立ちを隠せずにはいられなかった。

 白夜「何?今なんと言った?」

 サーレー「取引だよ取引。俺たちは別にあんたらに構っている暇はないんだ。っつかよ、俺たちはあの陳宮とかいう軍師に無理やり雇われた口だからな。報酬だけ受け取っとけば後はトンズラしたいってのが本音なのさ。…それにしても流石にこれはやりすぎだなとは感じてるぜ。まさかここまで派手にやるとは思ってなかったからよ。」

サーレーはあたりを見回し、派手に破壊された市街を見渡す。改めて見直すと流石にやりすぎではないかと思える程だ。しかし、意外なもので、案外シンプルな方法で勝つことができるものなのかと感心していた。軍師陳宮侮りがたし。それに、今から自分がやろうとすることも、軍師陳宮から授かった策のうちの一つである。それは、相手の精神状態を著しく悪化させ、その隙をつくというものである。

 サーレー【さてと、このままイラつかせてやればいいんだな。あとは、俺がどれだけ相手の堪忍袋に刺激を与えられるかだな。」

如何にこちらの勝率を上げることが出来るか。軍師陳宮はよくそのことについて話していた。如何なる強大な敵であっても、策を弄すれば勝つことが出来るという。相手は恐らく、自分よりも強い相手だ。しかし、自分の【スタンド】と呼ばれる力を引きだすことが出来る相手なら、こちらにも勝機はある。サーレーたちは、佳境に来ていた。