4章 300【スリーハウンドレッド】 2

嘆息する一同。このままでは何の打つ手もなくなってしまう。このままどうしようもないまま時間だけが過ぎ去ってしまう。そんな雰囲気の中、突如どこからともなく声が聞こえてきた。

 ?「さてさて、どうやら儂が出るほかないようだ。まさに、この時のために300人目として呼ばれたというわけか。ふむ、こうして世に彷徨い続け幾星霜。久々に姿を現すとしよう。」

そんな言葉がどこからともなく聞こえたため、皆々あたりを見渡して声のするほうはどこなのか、首を上下左右させる。

 神田「ん?どこからともなく声が?」

 元就「うん。確かにするのはするんだけど…」

 エドワード「見当たらねぇな。ったいどこにいるん…あっ。」

どうやらエドワードは見つけてしまっているようである。それは、あまりに非科学的な光景だった。錫杖を持った仙人のような人物が空中で座禅を組んだまま浮いているのである。

 アル「兄さんどうし…ええ何あれ!!」

 白夜「どうやら意外とあっさり見つけてしまったようだな。」

 元就「そうだねぇ。長生きしてるといろんなことを経験するけど…って、そんな悠長なことを言っている場合ではないね。どうやら、時空石に呼び出された、唯一の異世界からの偉人、通称【300・スリーハウンドレッド】が私たちの目の前に現れたらしい。こ、これは感動の瞬間だよ皆。普段は滅多に顔を出さない人がこんなしがない老人の目の前に現れてくれるなんて。いやもう歴史家として感無量だ!」

ここでおさらいであるが、時空石について説明をしよう。時空石とは、時空省が発見した謎の鉱石である。この鉱石は、50年おきに、西暦2000年以前に活躍した300人の偉人をどこからともなく、全盛期の姿で呼び出すというアイテムなのだ!何故呼び出すことが出来るのかは未だに良くわかっていないが、彼らは未来人にとって良き見本として世界中で活躍していることは事実である。ただ、不思議なことに、最後の300人目はこの地球史以外の偉人が選ばれるのだが、その人物が今まさに目の前に現れたのだ!