4章 300【スリーハウンドレッド】 3
300「そこのご老体、そう喜んでいる場合ではないのではないか?わしが連れてきたこの者たちの話を聞いてはおらなんだか?」
元就「あっ、いえ。そんなことは…ん?待ってください。今あなた様は何とおっしゃられました?」
何故か異様なまでに敬語を話す元就のことは特に気にせず、話を仙人のような男は続ける。
300「うむ、この二人は儂が転移させたのだ。口寄せの術というのを聞いたことがあろう?」
元就「おお!口寄せの術!なんかすごいなぁ。やっぱり本物の仙人様なのですね!ああもう感激だ!そうだ、今のうちにあなた様について色々お聞きしたいことがたくさん…」
と、一人で勝手に興奮している彼に対して、一同は嗜めるように一斉に咳ばらいをした。
神田「おい、そこの爺さん。いつまでそう話しているつもりだ?」
エド「ん、いつまでそ~してるつもりだ?あんたが話していると冗長になんだよな。」
葉「そうだね~。おじいちゃん話すと長くなるらしいからそろそろストップしたほうがいいかもね~。」
なんだか一人で勝手に興奮している自分が恥ずかしくなったのか、元就は深呼吸して咳ばらいをしたのち、一歩二歩後ろに下がって若い者たちにその場を譲るようにした。
司馬懿「さて、私も下がるとしようか。…師、昭は話あの者たちと一緒に話をしたらいい。」
司馬師「そういたしましょう父上。昭もそうだろう?」
司馬昭「そーですね。まっ、あの方に聞いたら何かわかるかもしれませんし。それに、父上は今から策を練るんでしょう?こっちはこっちで何とかしますよ。」
司馬懿は、息子たちが我意を得たりと感じ、この場から立ち去ることとした。今は、自分のなすべきことを成すのみだ。