サーヴァントと助っ人 4

 元就「へぇ、この森個人の所有物なんだ。ん?ちょっと待って。それ本当?」

 ハーメルン「ええ、間違い無いですよ。このパソコンのネット回線は25世紀から時空を超えてWI-FIで届く上に、快適な通信で更に正確です。ほら、この時代の冬木市のデータを取りこんでみたんですけど、ここ【アインツベルンの森】って言うそうですよ。」

元就も自分の目で確かめると、確かにこの森はアインツベルンという西洋の貴族がこの森に移り住んでいるらしい。どうやら、今彼らのいる21世紀はじめから200年前にはこの土地に移住したらしい。そのデータに元就は食いついた。明らかにおかしいとしか思えない記述があったからである。

 元就「ん?ちょっと待った。今自分たちがいるこの2000年代初期から200年前って、まだ日本は鎖国真っ最中じゃないか?」

 ハーメルン鎖国?ああ、そう言えばこの国って300年くらいほかの国と外交を閉ざしていたんでしたっけ?一部を除いて。」

彼らの言う通りである。この時代から200年前、西暦でいうなれば1800年初頭はまだ江戸時代だ。

 元就「そう。アインツベルンなんていう名前は恐らくドイツ語に近い感じだ。しかし、どういうことだ?こんなところにそんな欧州貴族が住めるなんてとても徳川幕府が許すはずがない。それ以前に、もし長崎の出島からこんな西日本の一地方都市に移動なんて出来る筈無いからなんだかおかしい話しだ。」

それから二人は数分この一族について調べてみたが、このアインツベルンという一族についてはデータがあまりにも少なく、彼らが深く突っ込んで調べようとしてもほぼ無駄な状態だ。

 元就「だめだ、調べると逆に泥沼にはまってしまうばかりだ。今度は同じころに建てられたアインツベルンの城なんて出てくるとは。

ああ、なんか我々は到着する場所を間違えたのかもしれないなぁ。」