grand order 13

 ランサー「ん~冬木の端っこにいるっつうことは、あの場所がいいんじゃねぇか。この街の中央によ、赤い色したでけぇ橋があるからそこにしたらどうだ?」

 イリヤ「そうね。私もこの街の住人として同意見だわ。そのあと、どこへ行くかはそこで色々決めたらいいんじゃないかしら?」

 ?「お…俺もそこがいいと思うぞ。う…気持悪い。やっと戻ってこれた。」

突然、茂みから声がしたかと思えば、そこから誰か出てきたではないか。その正体は、先ほどヘラクレスにはるか彼方へ飛ばされてしまったハーメルだった。

 

 山本「ん?その声は、辻谷君のところに居候しているハーメル?なぜここに。」

 ハーメル「ああ、その声は山本さんじゃないですか。見つかって良かったです。…いや、ほんとはこの場所にいたはずなんですか、そちらの筋骨隆々とした人に吹っ飛ばされ、やっといまこの場所に帰ってきたところなんです。」

その話を聞いたカルデアの面々は、ボロボロになった彼をみて、良く生きて帰ってこられたなと驚きの表情をしている。

 ロマン「いや、あのヘラクレス相手にぶっ飛ばされて良く生きて帰ってこれたね。どうやら、ハーメルさんでしたっけ?あなたもこちらのご老人と山本さんのお知り合いなのかな?」

 ハーメル「ええ、そうですよ。元就公と山本さんとは短いですが、何回か面識はありますよ。…まぁ、この場にはいないんですが、山本さんの時代では【辻谷】という人によくお世話になってます。うッ、もうだめだ。」

そのまま彼は、疲れ切ってしまったのか。その場でぐったり横になってしまった。どうやら、かなりの疲労だったようだ。

 イリヤ「あら、大変ね。ちょっとこのままじゃ良くないわ。」

イリヤはぐったりした彼を見兼ねて、彼女の住んでいる城に住まうメイドを指を鳴らすことでどこからともなく出現させた。因みに、二人いるのだが、やや厳しい顔つきのほうが【セラ】。少しふんわかしたほうが【リズ】という。

 

 セラ「お呼びになりましたか、お嬢様?」

 イリヤ「リズ、セラ。この行き倒れをお城に連れていって看病してあげて。」

そのまま二人は手際よく行き倒れを運び、辺りは再び静かになった。