喫茶店アーネンエルベ 8

何度でも言うが、それは間違い無くそこに存在するのだ。どうやら、中にお客さんと思わしき人影が見える。そして、この店のマスター【店主】と思わしき人もいるではないか。しかも、建物自体も中々こっている。入り口には、何やら魔よけのようなものが置いてあるし、如何にも欧州式の建築物といった雰囲気を醸し出している。

 

 かごめ「そうね…。犬夜叉のいう通りかも。ここってそんなに人通りがいいとは決して思えないけど、お客さんいるならいい店かも。」

 

犬夜叉「んじゃ、そうと決まればさっさと中に入ろうぜ。」

 

と、そんなことを言いながら犬夜叉はかなりの勢いで喫茶店の中に突撃していった。彼に遠慮の二文字は無いようだ。そんな彼を追うようにして彼女も喫茶店の中に入ってきた。彼らが喫茶店に入った時間はまだ昼前で、お店のげんから見た日差しは、まだ斜め後ろ左から昇っている状態だ。

 

 店主「おや、この時間に二組目のお客さんとは。珍しいこともあるものだな。しかも、人とそうではない者同士が入ってくるとは。今日は面白い日になりそうだな。」

 この喫茶店【アーネンエルベ】のマスターであるジョージは、長らくこの店を経営しているため、ちょっとやそっとしたことでは驚かない。たとえ、妖怪であっても客さんには変わりはないのだ。そもそも、この店に存在する秘密に比べたら非常に些細なことなのである。

 

 犬夜叉「へぇ。なんだか変わった店だな。」

 かごめ「おしゃれな店っていいなさいよ。こんな立派な店なかなかないわ!いやーこんなお店に来るの実はあこがれてたのよねー。よしっ、早速何か注文するものを決めないと。…と、その前に、席に座らないと。」

 犬夜叉「おう、そうすっか。…しかし、なんかこういう店落ち着かねぇんだよな。…まっ、ここは落ち着いてフツ―にしとっか、フツ―に。」