喫茶店アーネンエルベ 9

彼はそう自分に言い聞かせて静かに席に座る。何故自分に言い聞かせるのかと言えば、彼は非常に行儀が悪いため、良くかごめにたしなめられてしまうのだ。彼は、今日こそ大人しくしていようと気持ちを落ち着かせ、メニュー【彼自身はそういう単語を知らない】をみながらどれにしようか悩んでいた。

 犬夜叉「さてとっ。ふんふん。なんか全部美味そうだな。」

 かごめ「ほんと、なやむわね。あ、そうそう。今日はちゃんと行儀よくしててね。じゃないと恥かくの私なんだから。それに、アンタが何か得体の知れない人と思われるのも…」

 犬夜叉「大丈夫、大丈夫。今日は何とかなると思うぜ。これだけ落ち着いた店だからよ、こっちも気持ちがのんびりしてくるぜ。変に暴れるなんてこたぁねぇよ。」

そんなやり取りをしている二人を傍から見ていた人物が一人、喫茶店にいた。両儀式その人である。彼女は、コーヒーを鬼太郎と飲みながら、気持ちを落ち着かせつつ、今後どうするかを話しあっていた。そんなことをしているさなか、入店してきた客こと、かごめと犬夜叉の様子を見ていたのだ。そして、彼女はその口から飛んでもない発言を口にするのだ。

 式「へぇ~。この店半妖もはいってくるんだな。サーヴァントやら魔術師とか吸血鬼とこの店で話をしたことがあるけど、今度は妖怪の眷属ね。」

犬夜叉たちは、ウェイターが持ってきたお冷を飲んでいる最中だったが、二人はそれを勢いよく吹きだしたのであった。

 かごめ「えぇ!私たちまだ自分たちの正体明かしてないわよ!」

 式「ん?そうか?いや、そこの少年があんたらのことについて話してくれたんだ。…いや、突然驚かせてしまったのは悪かった。すまん。こんな見ず知らずの人間にこんなこと言われたらフツ―びっくりするわな。」