喫茶店 アーネンエルベ 14

 さて、そんな二人はこの場では大人しく腹ごしらえをするだけに今のところはしておこうということで、マイペースに食事を始めることとした。それに、向かいの席に座っているあの五人組【本当はもう一匹いるのだが、この二人は全く気がついていない】の話が面白そうなので、じっくり話を静かに聴こうではないかということのようだ。

しばらく聞いていると、なんだかすごい話になってきてるじゃないか。と二人は驚きを隠せないでいた。それぞれ、自分たちの冒険譚を語り始めたのだが、相手の話に驚きつつ、何故か自分たちの今まで生きてきた人生に照らし合わせながら聞いていた。ちなみにだが、この二人の人生も、中々ハードなものである。まぁ、向こうのほうがややオカルトっぽい感じみたいだが。

 郭嘉「それにしても、さっきからなにやら面白い話が向こうでされているみたいだね。」

 冴羽「ああ、なんだかオカルティックな話じゃねぇか。で、郭嘉の兄ちゃんはどう考えてるんだ?」

 郭嘉「何って?」

 冴羽「そりゃあ、あの少年少女たちの話にきまってるじゃない?もしかしたら、何かしらの情報が手に入りそうかもしれないって考えてるんじゃねえのか?」

そこのところどうなんだ?と念をおして、天才スナイパーは天才軍師に問い詰めるものの、当の本人は答えを返すどころか、風のようにひらりと躱すだけであった。今のところ、話すことは無いといったところらしい。

これは答えてくれないだろうと諦めた冴羽は、引き続きコーヒーでも飲みながらあの少年少女の話でも聞いていたほうがいいかと思い、さりげない素振りでそうすることとした。

そんな六人組は、各自自分たちの過去を語りあかしたのち、それぞれの話に感嘆していた。【式はふーんといまいちなリアクションをとっている。一応、これでも結構関心しているのだが。】