緊急事態 1

そのようなことが起こってたまるものか!一人の男がそう嘆いていた。

時は25世紀の中国上海。時空省中国支部の職員があまりの惨状に嘆いていた。その男の名を司馬懿という。

 司馬懿「馬鹿な、行方不明だと!しかも、日本時空省長官が殺害されているという情報は本当か!」

 部下A「はい、間違いありません。…信じられないことが起こっています。時空省で殺人事件と誘拐事件がまとめて起こるなんてまず聞いたことがりません。」 

 司馬懿「ああ、そうだ!全く、私がいた時代ではないのだぞ!この時代は平穏な時代の筈!特に、この時空省の警備は並大抵な物ではない!…一体日の本で何があったというのか。」

そう言いながら、かの天才軍師は頭を抱えていた。この時代で働き始めて早数年。こんなことは初めてである。恐らく、自分は経験したことが無いが、かの時空大戦とやらが起こった際は時空省の重鎮が数多く殺害されたとは聞く。しかし、もうそれから50年経つ。あれから時空省は警備を増強したこの組織でこのようなことはあってはいけないのだ。

 部下B「全くです。しかし、かの名軍師どのがここまで動揺されるとは。」

 司馬懿「軍師ではない。私は大将軍だ。…まぁ後世の印象ではそういうことになっているらしいが。…まぁそれはいい。たしかに、私も今回の事件に関しては驚きを隠せんよ。ここは、私が判断するしかない。今この中国支部で今役職の地位が高い職員は今のところこの私だからな。まずは、あの男に連絡をとるか。お前たちは通信班に連絡をとれ。休暇中のあの男に連絡をとれ。何かよい妙案が思いつくとよいが…。

そうして、司馬懿はあの男こと、辻谷に連絡を取ることにした。辻谷は、山本次官の友人で、なおかつ時空省の特別臨時職員だ。それに、ちゃらんぽらんなように見えて、案外頭のキレる奴だ。武術もできる。さて、どれくらい役に立つか。