幕間 1-3 宿にて

こうして、皆三三五五宿のロビーから離れ、自分たちが泊まる部屋に入っていく。山本自身も、そろそろ自分の部屋に入ってゆっくり寝ることにした。さて、明日はついに今日に至るまでの話をすることになる。だが、何故であろうか?何やら恐ろしいことが起きるのではないかと彼自身得体の知れない恐怖を感じていた。しかし、あの【シス】を名乗る集団はいったい何をやろうとしているのか…。全く予想ができない。

そんなことを考えながら自分の部屋にたどり着いた山本は、シャワー室で体を洗ってそのまま寝間着に着替え、ベットにあおむけになる。派手な街に似合った建物の外見からは想像もつかないほど、このホテルの部屋は意外と落ち着いた雰囲気をしている。このホテルをデザインした人は、なかなかのセンスをしている…のかもしれない。

そのおかげが、気持ちを落ち着かせるにはよい部屋を選べたのではないかと思った。これで、明日話す内容を落ち着いて整理できる。全ては、あの喫茶店とあの妖怪退治に関わってからだ。

 山本【しかし、あの喫茶店が自分たちの前に現れたのは偶然なのか?もしかすると、あの設計者が?それに、妖怪退治に関しては恐らく未解決だ。それは、もう一回このメンバーであの場所に向かえば…。】

多少、疑問点も多いのだが、それはそれ。明日は、必要な部分だけ話せば問題ない。そうして、彼は気持ちが落ち着いてきたのか、気付いたら眠りについているのだった。