辻谷との会話 2

所詮、自分はこれぐらいのことしかできない矮小な男なのだろうという悪い思考になっている中、辻谷はそんな山本に更に詳しい内容について話始める。

 辻谷「んでよ、その休暇に入る前にある人に合いに行ってもらいたいんだけど、都合は大丈夫かな?」

 山本「うん?ああ、別にもう予定はないからそのままその合いたい人に合いに行ってもいいよ。…で、その自分に合いたい人って誰なんだい?」

 辻谷「いや、それがだね、まさかのあの人なんだよ。」

 山本「その人って?」

 辻谷「いーか。よ~く耳かっっぽじいて聞いてくれ。その人の名はな…」

辻谷は、そのまま急に耳元でひそひそと囁きかけ始める。そして、山本はその言葉に絶句する。

 山本「えっと、それは本当なのかい?」

 辻谷「間違い無く本当だ。…ま、なんだかんだ言って君結構期待されているのかもねぇ。…あのひとも、若いころなかなか苦労しているという話だったしなぁ。」

 山本「そう言えば、そんな話を聞いたことがある。…何か、話したいことがあるのかな、この僕に?」

 辻谷「ああ、恐らく、何かあるのだろうさ。いいかもしれない。あの事件以来、君はあの頃に戻ってしまっている。そんなの、俺は見てられないから、あの人の話を聞いたら解決策が見つかるかもしれないよ。」

そう強く念をおす辻谷。どうやら、彼はその人に何かしらの期待をしているのか、それとも、目の前にいる友人の心配をしているのか。どこか希望が見えてきたようにもそれでも心配がぬぐえないような表情をしているのだった。

 それから15時間後、山本は、国連本部から日本に遥々やってきたとある人物に会いに行く。その人物の名は【シーヴ・フィニス】という西欧系の人物だ。