カルデアにて 10

ただ、これではっきりしたことは、敵は相当な広範囲で破壊活動を起こしたことが明らかになったということである。だが、目的はまだ不明だ。ともかく、何としてでも25世紀に戻る方法を考えないと、先に進めそうにない。恐らく、この時代のカルデアの力では、これ以上の未来へ行くことは不可能だろう。そもそも、山本がこのカルデアへ時空を移動して来ることが出来たのは、藤丸と一緒についてきたからというだけだ。

 

説明すると、藤丸は先ほどの冬木市より10年先の未来から来たのだ。藤丸にとって現在はこのカルデアであるため、帰還先はここである。しかし、山本はさらに未来の時代の人間だ。環境が整えば、問題なく彼のいた時代まで戻れるのだが、どうも何者かの妨害で元の時代に戻れないのだ。だが、カルデアにはその妨害が働いておらず、この時代までは問題なく移動できるということなのだ。

 

 山本「…というわけで、カルデアの皆さんには色々と手伝ってもらうことになります。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。」

 ダ・ヴィンチ「いやいや、むしろ、大歓迎だ。まさか、未来人が来るなんて思ってなかったからねぇ。んじゃ、まずは冬木に戻ってその手段を探すことになるのかなスコール君?」

 スコール「そうなるでしょう。何故山本次官が元の時代に戻ることができないのかはまだ分かりませんが…その代り、どうやら自分は問題なく時空移動できそうなので、200X年の冬木に向かう準備が整い次第向かおうと思います。」

 

山本にとって大きな朗報だった。後は、辻谷と合流したいところだが、彼が今頃別次元で大変な苦労を重ねていることは露も知らないとのだった。

 山本「それは助かる。自分たちも早く冬木ニ戻るから、その時はよろしく。…といっても、どこで待つ?」

 スコール「そうですね。…新都、と呼ばれる場所で待っていますのでそこでいいのではないでしょうか?」

山本は彼の提案に快諾する。具体的な場所もそのままマシュたちと相談し、新都にあるショッピングセンターで落ち合うことで話はまとまった。