カルデアにて 11

 スコール「そうと決まれば、早速向かいます。後は、現地で詳しい話をすることとしましょう。」

 山本「そうだね。それでは、また後程会おう。」

そうして、スコールとの会話は一旦終了することとなる。山本は、このまま一旦冬木に戻ろうとマシュたちに提案し、二人もそれがいいのではないかということで話は一致し、早速向かうことになった…のだが、このカルデア、この山本誠一という人物に興味を持つものが大勢いるのである。それは、この施設に常駐しているサーヴァントたちだ。恐らく、藤丸が出会ったことのあるサーヴァントは優に百を超える。その中でも、特に縁のある者たちがこのカルデアで暮らしているのだ。しかも、国際色がかなり豊かである。

 

 まずは、アーサー王と円卓の騎士のメンバーであるガウェイン卿と、新選組副長・土方歳三、そして、同じく新選組一番隊隊長であり少女剣士である沖田総司【どうやらこの世界では女性だそうだ】が陰から山本をこっそり見ていた。

 

 沖田「土方さん。あれですよ、あの方ですよ。噂によれば、彼かなりの腕が立つそうですよ!」

 土方「らしいな。ま、そんな風にはまったく見えねぇけどな。っつうか、未来にも腕の立つ奴がいるとは正直驚きなんだが。」

 ガウェイン「そうですね。しかし、どれほどの腕なのか、皆目見当がつきません。一体どういった能力を持っているのか気になるところです。」

 

三人は、そっと陰からみて、あれこれ想像をしているようだ。だが、そんな三人のことにどうやら山本が気づいたらしく、彼らがいるほうを振り向く。

 

 山本「ところで、あそこにいる三人は一体なんなのですか?どうやら、こちらにいらっしゃるサーヴァントさん達だと思うのですが…?」

離れて見ていた三人は、自分たちの存在に気づいた彼の前からそのまま立ち去ろうとする。

 沖田「あ…気づかれてしまいましたよ。どうしましょう。私達、マスターの許可を得ずに姿を現してしまってます!このままここから立ち去らないと面倒なことに…」