カルデアにて 12

 山本「いや、もう君たちの前にいるよ僕。」

どうやら、いろいろと手遅れであったらしい。折角長い間ずっとばれずにこそっと観察していたというのに。これではとても残念である。

 沖田「うわっ、いつの間に私たちの目の前に!」

 山本「いつの間にっていわれても…君たちがなにかしら熱心に話している間にこそっとね。」

おどろいた、まさか、自分がまったく気がつかないとは。沖田は、この人物がアサシン【暗殺者】のサーヴァントかなにかかと思わずおもってしまった。

 

 沖田「成程、今のでどことなくあなたがいかほどの達人かよくわかりました。自分の気配を消すというのも戦いにおいては時には役立つこともありますからね。」

 ガウェイン「ええ、これは頼りになりそうな人物かもしれません。まだ、あなたに詳細なことは分かりませんが、なにか手伝えることがあれば、我々はよろこんでお手伝いいたします。」

 土方「それもそうだがよ、いいのか、マスターにまったく許可も得てねぇぞ。」

そんな四人の前に、ダ・ヴィンチと話を終えたマシュと藤丸が彼らの前に現れた。どうやら、三人の行動に関しては、特に気にしているようでもないようだ。寧ろ、頼りになるという信頼の笑顔である。

 

 藤丸「おっと、そのことなら勿論いいよ。寧ろ、そっちの方が、俺としても心強いさ。」

三人とも、彼の表情をみてほっとしたようだ。何せ、マスターである当の本人が極力顔を出さないほうがいいんじゃないかといわれていたので、こうして素顔をさらした際、一時はどうなるかと本気で心配していた。

 

 しかし、状況が変わったことを察した藤丸は、寧ろ、彼らの紹介をしたほうがいいのではないかと思いついたのだ。