テロ 4

その勢い、脱兎の如し。あっという間にトイレから逃げ、元いた部屋の前まで一直線に戻ってきた。あまりに全力で走ったため、行き絶え絶えになっていた。しかし、それと同時に、安全な場所までたどり着いたという不思議な安堵感も感じていた。

 銀時「ハァ、ヘェ。戻ってきたぜ。ここに隠れときゃあ大丈夫だろ。…隠れてる間に、色々対策考えとかねぇとな。どうやら、警備の人たちも気がついたらしい。その間に、何とかしないとな。」

彼の言う通り、銀時のいる階層は警備の人や警備ロボットの動きがあわただしくなっていた。犯人を捜すために皆血眼になっているのがわかる。

 銀時「後で助けに行ってやるか。いや、やっぱやめとこうかな~。俺が行っても役に立たないだろうしー。んじゃ、そしたら中に入。」

彼が部屋の中に入ろうとしたその瞬間、突如、爆音とともに自動扉がぶっ飛んだのだ。

 銀時「ぶぶぇえ!!」

何が起こったのだろうか、始めはまったく理解できなかったものの、すぐさま何が起こったのか理解することが出来た。爆発した後の粉じんで覆われている休憩室の中から重い金属音と電子音が響き渡る。その音は次第に大きくなり、その音が、遂には銀時の頭上を通り過ぎ、廊下に到達した。

 銀時「えっ、嘘だろ。なんであの赤い人いんの?ってか何でエルザフツーに戦ってんの?あれなの?最近のマガジンの女性キャラってこんなパワフォーなの?それ以前に、あの宇宙人、なんでもう休憩室の中いんの?」

余りに混乱してしまったためか、思わず二回同じことを口走ってしまった。それもそうだろう。その男は、銀時に気づかれないようにその部屋に侵入したのだから。