テロ 8

 エルザ「くっ、もう少しだったというのに。詰めがもう一人いれば…」

だが、確実に相手の隙は無くなっては来ている。が、もう少し人数が必要だ。あと一人、あと一人でいい。誰か来てくれるだけでこちらが優勢を取れるはずだ。それが、現実になった瞬間が訪れた。

 ?「んじゃ、あと一人加わてやればいいんだろ?」

それは、先ほどまで逃げようとしていた坂田銀時その人だ。

 エルザ「銀時!!逃げたんじゃなかったのか。」

 銀時「そう考えたんだけどよ。…あんたらが頑張ってるのを見たら自分が情けなくなって戻ってきちまった。」

そんなことをうそぶく彼だが、どちらかといえば、彼の良心に元ずく行動だ。根はお人好しな彼は、黙ってみてられなかったのだ。

 男【何だ?あの男、見ない顔だが?…しかし、敵対するとなると、不利な状況に陥ってしまったということか。】

どうやら、テロリストからは完全に認識されていなかったようである。銀時の方は必死に逃げ回っていたのにも関わらずだ。最も、銀時も極力視界に入らないようにはしていたというのもある。その銀時も加わったことで、その男は、5人の強者と戦わざるを得ない状況になってしまっていた。

 反撃の準備は整った。アレン・ウォーカーイノセンスと呼ばれる武器エルリック兄弟は錬金術を、エルザは換装魔術を、そして、銀時は洞爺湖と書かれた木刀を持ち、各自、その男と戦闘態勢に入ることとなった。これで、一気に形勢逆転。後は、相手を追い詰めるのみ。だった筈だった。

 ?「そこまでにしておこうか、若い者らよ。そして、我が弟子【ダース・モール】よ。」