モールとその師 2

銀時含め、残りの4人も眼前にいる二人を睨みつける。が、何故であろうか。体が前へも後ろへも動けない。睨みつけているのはこちらであるというのに、あたかも自分たちが蛇に睨まれた蛙といった状況なのだ。その五人のほかに、この階へ駆けつけるものがいた。残りのエクソシストと死神の人たちだ。

 ルキア「兄上!あそこにいるのがもしかすると。」

 白夜「ああ、間違いなかろう。あそこにいるのが、今回の事件の主犯格だ。お前たちもそう思うだろう?」

 ラビ「どうもそうらしいさ。でも、なんかやばそうだし。」

 リナリー「兎に角、あの五人を助けなきゃ…と言いたいところなんだけど、どうしてかしら?体がまるで動かなくなってきてる。」

何ということか!この老人は、計10人を相手にしてこれだけの威圧感を放つことができるということなのであろうか?

 老人「ひゃひゃひゃひゃひゃ。暗黒面の力の前では何人も勝てぬ。…さて、若き者たちよ。一人はなかなか相応のものがおるようだが、まあよい。これは、そなたたちへの警告である。

老人の口調が不気味なものへと次第に変化していく。一言一言がなぜか非常に重く感じてしまう。

 白夜「警告?一体、お前は何かをしでかそうと企んでいる?」

老人は、再び大笑いしたのちに、更に威圧感を増しながら強い口調で語りを続ける。

 老人「そうか。ならば、お前たちが探し求める者を追ってゆけば分かる。…さて、我々もそろそろ茶番を終わりにするとしよう。。」

一体何が起こったのだろうか?目の前にいた二人は急に霞のように消えていなくなり始めたのだ。

 銀時「おい、まて!逃げるつもりか!」

 老人「ここではな。だが、次会いまみえるときは、そなたらに阿鼻叫喚の地獄が待っておろう。。」