再びカルデアにて 4

そんな彼を藤丸は、そういえば生身の人間で超人的な活躍をした一人の人物を思い出していた。…なら、確かに彼のような人間がいてもさして不思議ではない。ここではそう思うようにした。それに、【彼女】も確かに相当な剣豪であったことは違いない。つまりは、彼もただ単にそれだけというだけの話…だと思っておこう。その少年はそう思うことにした。

して、時間が来る。空気を震撼せしその光撃は静かになる。と、彼はそのまま何事もなかったかのようにこちらに戻ってくる。

 山本「さて、4分しか時間がなかっけど、よい準備運動にはなったかな。カルデアの方も、そろそろサーヴァントの選定が終わったころだろうし、よしよしと。」

 マシュ「それは良かったです。…人間離れはしていましたが、それで準備が整ったようでしたらこちらとしても心強いです。」

 山本「おっ、そういってくれると僕もうれしいよ。…さて、そしたら後はダ・ヴィンチさんにもう一度挨拶して、サーヴァントたちと合流、そして、冬木に戻ろう。」

山本達は、そうして準備を終えると、すぐにダヴィンチがいる工房へ意気揚々と歩き始める。して、事態は急に起こる。山本の所持している無線から何者から連絡が来る。

 藤丸「あれ、山本さんの方向から何か振動音がするのですが?」

 山本「これはもしかして…。おお!自分の居場所を突き止めて誰か連絡をくれたらしい!ふむ、中国の司馬仲達さんからだ。」

藤丸とマシュは、一瞬自分の耳を疑った。いま、司馬仲達というワードが聞こえたような気がしたからだ。そんな二人をよそに、山本は、時空無線機越しに会話をし始める。

 司馬昭「ああ、良かった、すみません。父の無線機を借りて試しに通信を試みたらやっとつながった。ああ~面倒クセッ。なんでこんなことになっちまったんだろうなぁ~。って、そうじゃなかった。山本次官、無事を確認できてよかったです。」

 山本「ああ、これはあの司馬懿殿のご子息の子元【しげん】殿!よかった、こっちのことが分かったみたいだね。」

 司馬昭「ええ、父上からの指示で試しにやってみたらうまいこと繋がってくれてほっとしています。でも、今はこんなこと言っている場合じゃなかった。今すぐに時空テレビで25世紀に時間を合わせてください。こっちが大変なことになっているんです!!」