妖怪退治 序 5

そうして、二人は彼らの後をつけるために、喫茶店から出る準備を始めたようだ。そんな二人に対し、マスターは別れの一言でも添えてあげようとした。その前に、二人をレジまで案内し、会計を先に済まさせる。

 郭嘉「いや、今日はお世話になりました。」

 ジョージ「いえ、こちらこそなかなか楽しいお客さんだったので、私も楽しかったですよ。…これからは、厳しい道中になるかもしれません。私からは、してやれることは何もありませんが、どうか、お気をつけて。」

 冴羽「いやぁ、そんなことはないっすよ。気持ちも落ち着いて、体の方も元気になったし、これ以上のことはないですって。」

その言葉をきいて、ジョージは、好いもてなしが出来て良かったと心の底から思ったのであった。二人を見送った後、ジョージは皆の食べ終わった食器類を洗って片づけ始める。客のいなくなったこの喫茶店の中は、静寂が次第に包み込み始める。しいて聞こえるとするならば、立派な古時計から聞こえる、時を刻む音だけだ。

 ジョージ「さて、私がしてあげられることといえば他に何かないだろうか。…いや、もし来るとならば、向こうからやってくるだろうさ。

今は、只の喫茶店のマスター。私にしてあげられることは、只のそれだけさ。」

そういいながら、ジョージは食器の片づけに入る。さて、今日は他にどんな客人が来るだろうか。時間が経ち、次に入ってきた客人は、ジョージがよく知るこの町の住人たちであった。こうして、この喫茶店は、再びゆっくりとした時間が流れ始めるのだった。

さて、一方で山本たちは時空省での事件を片づけ、アタランテ達に何かしらの指令を出そうと思いあぐねているところであった。…しかし、余りカルデアでのんびりしているわけにはいかない。

 山本「さて、そろそろ21世紀の冬木に戻らないと、時間が押してきてるな。」

 ダ・ヴィンチ「そうだねぇ。カルデアはいつ何時でも自由にレイシフトできるわけではないからね。こちらが一時間時が進めば向こうでも一時間時が進む。できるだけ早く戻るべきだろう。