妖怪退治 序 14

イリヤは、藤丸の言葉でなぜか上機嫌になっている。どうやら、よほどヘラクレスのことを気に入っているらしい。次第に、鼻歌まで歌いだし始めるほどだ。

 山本「ふーん。イリヤはよほどヘラクレスのことを気に入っているんだね。」

 イリヤ「もっちろん!!私のバーサーカーは一番強いんだから。…というと、ちょっと語弊があるわね。あなたのカルデアにもいるっていう話だから。もしかして、そこのアロハシャツの人もいるのかしら?藤丸さん。」

イリヤはランサーこと、英霊【クーフーリン】の方に目線をやり、にっこりと笑う。しかし、何であろうか、その目線はどことなく小悪魔っぽく見える。この少女、一体何を考えているのかたまにわからなくなる…そんなことを藤丸は思うのである。

 藤丸「いるよ。でも…、派生が多すぎて色々いるんだ。ああ、話すと長くなりそうだ…」

そういえば、サーヴァントと呼ばれる英霊は、たとえ同じ人物であっても召喚する人が違った場合、別の側面が強調されて召喚されることがあるということらしい。因みに、彼のカルデアには計四人のクーフーリンがいるとのことらしい。今度、四人とも見てみたいと思った山本なのであった。

 山本「それは今度にしておくよ…おっと、無駄話が過ぎたね。そろそろ本当に出ないとほかの客人に迷惑だ。」

そのまま皆喫茶店から外に出て、これから向かう現場へと移動を開始した。ここからは作戦通り、固まって移動すると目立つので、二手に分かれて行動を始めることになる。