妖怪退治 佳境 7

暫く、そのまま彼らの後をつけて見ることを続けることは継続することにして、問題は、段々人通りが多い所に出てきたところだ。気付いたら、商店街の真っただ中に来ていた。まだ日も明るいからだろ。例の妖怪は、夜に現れるので、夜まで時間をつぶすつもりなのかも知れない。幸い、この商店街から問題の工事現場まではそう遠くない。良い選択といえるだろう。【ちなみに、山本たちがこの時代に再び戻ってきたのはまだもう少し時間が進んでからである。】

 郭嘉「どうやら、人がいっぱいいる所に来てしまったようだね。…どうしようか、まだ夜まで時間がある。私たちも、ここで時間をつぶすというのもありかもしれないね。」

 冴羽「あ~確かにまだ早いな。ちょっくら休んでからにすっか。…それに、ちょっとあんたと話したいことがあるしよ。」

二人は、周りの喧騒に紛れて、お互いについて話し始めたようだ。それもその筈、二人は、あの次官と面識があるというだけで、互いについてはほとんど知らないことが多いのだ。精々、簡単な噂話程度しか互いのことを知らないのである。

 郭嘉「そういえば、あなたはこの時代から約20年ほど前の時代から25世紀に迷い込んでしまったという話を聞いたのだけれど本当なのかな?その上、あの銀時とかいう男とは時代は違えど、出身はほぼ同じともきいているけど。」

 冴羽「年代はそれであってるぜ。ただ、出身に関しては正確じゃない。なんせ、俺には【国籍不明】だからな。本当は、自分が何者かもわからない。」

 郭嘉「そういえば、幼いころに飛行機事故かなにかで奇跡的に助かったとかそんな話だったかな?」

 冴羽「ま、そうさ。あとは、あんたの知ってる通り、殺し屋さ。絶対にかたぎには手ぇ出さねぇけどな。んで、新宿でいつも通りの一日を過ごしてたんだが、なんでかわかんねぇが、気付いたら25世紀に飛ばされてたってわけだ。ま、あんたのところの異世界にとばされましたーってよりはよっぽどましだぜ。何なんだよ、三国志と日本の戦国時代が合体した世界って、混沌としてるにもほどがあんだろ!」

 確かに混沌といている。それを聞いたときは、我耳を何度も疑ったものだ。でも、目の前にいるには、恐らくあの天才軍師と肩を並べるほどの軍師様という話らしい。…どう考えてもそういう風には見えないし、三国志に詳しくない自分はあまり聞き覚えない名前だからだ。郭嘉奉孝、魏の曹操に仕えた軍師である。