妖怪退治 佳境 8

彼の見識の広さは相当なもので、彼の献策はすべて的中し、そのおかげで、三国で最も強大な勢力を築く基盤を作ったといっても過言ではない。元々は、曹操のライバルであった袁紹に仕えるはずだったが、彼に会った時に失望し、曹操の人柄に惚れて彼の元で活躍することになる。彼のおかげで、呂布袁紹に勝利することが出来、また、その智で群雄のなかで一歩リードすることが出来たと言っても過言ではないだろう。

しかし、彼は呉の孫権と、その同盟者である劉備との直接対決である赤壁の戦いの前になくなってしまった。彼がいれば、赤壁の敗北はなかったともいわれている。彼の死を、曹操は特に悲しんだともいわれている。曹操は、後継者に郭嘉を押していたともいわれているほどだ。

…という風に書くと、すごい人物なのだが、普段はとてもそういう風には見えない。どこか飄々としている上に、遊び人体質のため、本当にそんなにすごいのかどうかぱっと見は怪しいとしか言いようがないというのが事実だ。

 冴羽【ま、一応ついては行くんだけどね。あそこの喫茶店が怪しいっつって入ったら確かに手がかりつかみまくれたし、それに、この時代に飛ばされた時に、森の中でどうしようもないと思ってたら、植物の種類から山の標高を簡単に計算した上、山から下りられる方法を見つけ出すし、食料が足りてなかった時は、腹を下してもいいから川の水を飲んで餓えを凌げとか、…あぁ、確かにすげぇ奴だわ。】

という具合に、いざ頭が回るとすさまじくよく回るのだ。普段とのギャップがある。それが彼の魅力だ。さて、この知恵を生かす機会がこれから発揮されるのかは話を続けてからにしよう。そんな二人は、鬼太郎達が休憩を取っている場所をさりげなく確認していた。しかし、本当にこんな引っ付かず離れずの状態のままでいいのか。いっそのこと、話しかけてしまったほうがいいのではないかと冴羽はおもうのだが、まだその時ではないと郭嘉は言う。