妖怪退治 佳境 15

そんな二人見ているかごめと鬼太郎が、思っていたより奮戦していた。かごめの巫女の力である破魔矢と、鬼太郎の遠近に使い分ける攻撃が意外なコンビネーションを見せていた。

 鬼太郎は、学生服の上から羽織っている【霊毛チャンチャンコ】を、剣のように固く鋭くして使ってダースモール相手に剣げきを繰り広げながら、且つ【髪の毛針】という髪の毛を、針の矢のように飛ばすことで上手に対応していたのだ。

 モール「…思っていたよりもやるということか。只の少年ではないな。それに、あの娘もなかなかだ。」

二人は、激しいつばぜり合いを繰り広げる。高熱を発するあらゆるものを切り裂く赤き刃【ライトセイバー】を相手に耐えるチャンチャンコと鬼太郎に、モールは素直に感心する。一方で、かごめの技量も認めており、あらゆるものを焼き尽くさんという炎の体をしている怪鳥【松明丸】を器用に弓矢で追い払っていることにも同時に感心していた。

 鬼太郎「その言葉、素直に受け取っておく。僕はゲゲゲの鬼太郎。幽霊族の生き残りだ。何のために僕たちを襲撃したのかはもう予測はできているさ。あの泥田坊の件にお前たちが絡んでいるのは間違いないな。」

 モール「そこまで分かっているなら隠し立ては無用。その通りだ、しかし、それだけでは甘いぞ少年。我々を倒さねば先には進めぬ。

 二人が、つばぜり合いをしながら会話をしているその途中、凄まじい勢いで輝く何かが飛んできた。かごめの放った弓矢である。偶然なのだが、たまたま二人のいる先の直線上に松明丸が飛んでいたため、その場所めがけて弓矢を放ったのだ。が、驚くことが起こる、なんと、弓矢が【空中でそのまま制止する】という奇妙な現象が起こったのだ。

 かごめ「え?嘘!?」

 モール「嘘ではない。これが我等が信奉する力だ。」