英雄終結 2

そして、その時は来た。結界が、激しい音を立てて破壊されたのだ。それも、一つだけではない。【二つ同時】である。そう、郭嘉は、別同市の結界が接していることに気づき、犬夜叉にそこを重点的に破壊するように頼み込んでいたのだ。

 かまいたち「何!?結界が同時に破られただと!そんな馬鹿なことがあるか!」

残念ながら、こうなる運命であるということは、実のところ郭嘉がアーネンエルベを見つけた瞬間から決まってしまったのだ。すべては、彼の術中というところである。解説するとこうだ。まず、山から下りたところまで遡る。二人は、新都で何かいい場所はないか探し回っていたところ、彼は、ふと何かに気づいた。喫茶店、アーネンエルベである。

 郭嘉【おや、この喫茶店、入り口が裏鬼門にある。それに、よく見ると、玄関にロザリオとハーブを模した編み物とかアクセサリーが飾ってある。…よく見ると、裏鬼門にも。変だね。初めは洋式の建物だから、始めは気のせいだと思ったけれど…考えすぎかもしれない、しかし、入ってみる価値はありそうだ。】

しかしてそれが見事に予感的中だ。入ってみると、見事に彼らがいたのだ。この喫茶店については、彼が気づいた通り、魔術的なものによって作られたものであるということ、そして、それが時空を繋ぐ力があるということも見破り、郭嘉犬夜叉たちについていくことに何か意味があるということでついていくことにした。

 するとどうだろう、行き先が裏鬼門の方角なのだ。なるほど、あの建物が裏鬼門の方を向いていたのはこの街に流れる自然改二流れる魔力が鬼門から裏鬼門の方に流れているのを利用して建てられているのだろうということ、そして、魔よけは鬼門の方角から流れてくる悪しき気の流れを取るために置いてあったのかと一人で納得していた。更に、商店街に入った彼らが、無意識のうちに、裏鬼門の方へ歩いて行くのを見て、一気に一本の線でつながったのだ。