英雄集結31

 彼がそうモニター越しに見つめていると、先ほどから横にいたゼーナはマダラが警戒している郭嘉という男に興味を持ったようで、マダラに彼について聞いてみることにした。

 

 ゼーナ「あの郭嘉とかいう軍師、そんなにすごいのかしら?」

 マダラ「ああ、あれはかの三国時代の英雄、【曹操】が最高級の賛辞を送った人物だ。自分の跡継ぎを彼に託そうとしていたほどだ。が、史実では早世してしまい、かの赤壁の大戦のちょうど前年に亡くなった。彼が生きていれば、赤壁の敗北はなかったとされているほどらしい。」

 

 ゼーナも一応三国志については簡単に話は知っているので、赤壁の戦いのことは多少は知っている。なるほど、あの戦いで彼が生きていれば、あの戦況がひっくり返っていた可能性もあるということなのかと納得した。もしあの戦いで曹操が勝っていれば、三国時代が無かった可能性が大変高くなるからだ。歴史を変えることになっていたかもしれない人物だったのだ。

 

  ゼーナ「なるほど、それは大人物ね。でも、今はまさにその歴史のIFが起こっているわけでしょ。」

 マダラ「そういうことになるな。そのまさかが起こっているわけだ。奴はここで始末したいものだが、おそらく、想像以上に厳しいものとなろうな。…さて、お前はこれからどうする?」

 ゼーナ「そうね…私も少し偵察を出そうかしら。」